総裁選の3氏、党内での意外な“ひとがら評価”を元自民党職員が語る
9月8日に告示され、14日に投開票される自民党総裁選――。
立候補者は届け出順に石破茂元幹事長(63)、菅義偉官房長官(71)、岸田文雄政調会長(63)の3氏。14日の両院議員総会に向け、論戦が繰り広げられているが、すでに主要派閥の票を固めた菅氏勝利との予想が大半だ。
今年7月に著書『気配りが9割 永田町で45年みてきた「うまくいっている人の習慣」』(飛鳥新社刊)を出版した元自民党職員で、政治評論家の田村重信氏は、「気配り力でも菅が圧勝」と語る。
「安倍晋三首相は、当初は岸田に禅譲するつもりだった。岸田は自らが領袖を務める岸田派、そして細田派、麻生派がまとまれば国会議員の過半数を超え、菅は出馬できなかった。それなのに岸田では『選挙の顔』にならないと……。
結局、岸田は何がしたいのか、周りはよくわからなかった。自民党の野党時代、私は当時政調会長だった橋本龍太郎元首相の10万部を超えるベストセラー『VISION OF JAPAN』(1993年)という本をプロデュースし、橋本が総裁選を勝ち抜く原動力の一つになった。
現在、政調会長を務める岸田にもビジョンを語った本を早く書くべきだと思っていた。ようやく本を書いたけど、発売予定は投票日の14日だった。11日に発売を前倒ししたようですが、これでは遅すぎますよ」
菅氏は無派閥ながら細田派、麻生派、竹下派、二階派、石原派など、幅広く支持を集めた。田村氏は「誰からも慕われる」菅氏とのエピソードを打ち明ける。
「参議院選挙のとき、私が菅の選挙区の横浜で自民党員に向け、公約・政策を講演することになっていました。ある会合で偶然、菅と一緒になったら『田村さん、今度横浜で講演をやってくれるのですね。ありがとうございます』とお礼を言われて、本当に驚きました。一介の職員のことを気にかけてくれているだけではなく、その情報収集能力と記憶力の高さには感服しました。
もちろん職員は、どんな政治家に対しても一生懸命につかえます。でも、そこは人と人ですから、誰に対しても分け隔てなく礼儀正しい、そして気配り上手な菅と仕事したいと思う職員は多い」
安倍首相は、当初は岸田氏に譲るつもりだった
菅氏は気配り上手、内輪で慕われる
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