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いまだに殺害予告が続くスマイリーキクチ、今の仕事の8割は…

国内最大級のネットリンチを経験して…

 国内最大級とも言えるネットリンチを経験したキクチ氏は、修羅場の突破術をこう語る。 「まず、スクリーンショットや該当URLなどの証拠を徹底的に集めること。ここで『お前はバカか』などとやり返すと、警察が『あなたも煽るから』と対応してくれなくなります。そして、集めた証拠を持って、プレゼンする気持ちで警察に相談する。僕の場合、膨大な書き込みをプリントアウトし、蛍光ペンを引くなどして資料を作成しました。また、『ネットに詳しい刑事さんいますか?』と事前に確認することも大切です」  もし、それでも警察が本腰を入れてくれなかったら? 「そのときは弁護士を頼り、一度民事の名誉毀損や誹謗中傷として相手を特定してからその情報を警察に持っていく。そこまでやれば、警察も動いてくれます」  書類送検後、ネットリンチは一段落したとのことだが、いまだに殺害予告は続いている。 「少し前に生放送出演の告知をSNSでしたら殺害予告が来てしまい、番組出演がキャンセルになりました。今の仕事の8割は、ネットリンチの被害者の相談や講演活動になっています」  キクチ氏の著書『突然、僕は殺人犯にされた』は、開成高校や栄光学園といった進学校で教材として授業に利用されるほど。20年間にわたる見えない敵との闘いを、今ではこう振り返る。 「脅迫を受け続けた10年間、そして否定してからの11年間。ようやく否定してからの時間が上回りました。それでもデマを信じる人は後を絶ちません。多くは正義感に駆られて、『自分は真実を知ってしまった』と妄信する人々ですが、顔の見えないネット上こそ、客観的な視点で立ち止まってみることを忘れないでほしいです」 【スマイリーキクチ氏】 ’93年、コンビ結成。翌年、ピン芸人となり『ボキャブラ天国』などで活躍。著書『突然、僕は殺人犯にされた』(竹書房)には、ネットの中傷被害の記録が詳細に綴られている <取材・文/週刊SPA!編集部>
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