仕事

コネ入社した新入社員の仕事ぶり。取引先から「うちの子大丈夫?」

居酒屋でアルバイト中に声をかけられて…

 一方、こんなユニークな“コネ入社”も。 「居酒屋でアルバイト中に声をかけられまして……」  今年で入社5年目の香取基介さん(27歳・仮名)。大学3年生の時、都内の居酒屋でアルバイトをしていたが、お酒や料理を運んでいたところ、客から声をかけられたという。 「おじさんたちから『就活中?』と聞かれて。声をかけられた時は、すでに就活解禁にはなっていたんですが、当時まだ何も動いていなくて。『来週説明会があるから、暇なら来てみてよ』って」  退店際に名刺を渡されると、なんと肩書きには“取締役”と書かれている。バイト終了後、インターネットでその企業を検索、説明会に参加するエントリーを済ませたそうだ。 「最初参加した時は、実は、そこで働きたくて説明会に参加したのではなくて、その取締役を店の常連にしてやろうと思って説明会に行きました。まだ就活が始まったばかりでしたし、他にも気になる企業がありました。でも、話を聞いてみたら事業内容が面白そうだったのと、なによりその取締役がすごく魅力的な方で、一緒に働きたいと思いました」  当然、入社試験は他の就活生と同様に受けた。面接を迎え、志望動機を聞かれた際に居酒屋でのエピソードを話した。すると、面接官は大ウケ。順調に最終面接まで辿り着き、内定を勝ち取った。さらに内定後、取締役はたびたび香取さんが働く居酒屋に足を運んでくれたそうで「常連にする」という目的もしっかり果たすことができた。  入社後、取締役からは「動きが良かったので、ぜひ働いて欲しいと思った」と言われたそうだ。それにしても、どこで誰が見てくれているかわからないものだ。  香取さんは入社してからも取締役をはじめ、部長たちにも可愛がられているという。様々なことに挑戦させてもらえているようで、期待に応えるように結果も出してきた。現在、5年目としては異例の大きなプロジェクトも任されている。 「居酒屋で“ナンパ”されたことがきっかけで入社するとは思わなかったですが、ここで働くのがなにより楽しいので良かったですね」  どんな会社にも一人はいるかもしれないコネ入社。不思議と周囲にはバレるものだが、日々の業務をコツコツとこなすことで認められるのも事実なのである。<取材・文/星谷なな>
5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。Twitter:@nanancypears
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