パチンコ店が喫煙者にとって重宝される場所なのはわかった。では非喫煙者で女性ならどうだろう。IT企業勤務の川口さん（仮名　24歳　女性）もパチンコ店を遊戯以外の目的で利用をする一人。彼女の場合は、女性ならではの理由があった。 「屋外でメイクを直すときによく利用しますね。飲食店やコンビニのトイレを無料で利用するのは少し気が引けますし、何より不潔なんですよ。その点、パチンコ店のトイレは気兼ねなく利用できる雰囲気がある。それに、どの店でも必ず清潔に保たれていますから、気持ち良く利用できます」 　メイク直しをしたい女性にとっては、できることなら暗くて不潔なトイレより、清潔で明るいトイレを利用したいのは当たり前だろう。 「あとは、パチンコ店には女性があまりいないのもポイントですね。わざわざメイクを直すためだけに、ショッピングモールにあるトイレの長蛇の列に並ぶのは時間がもったいないですから。パチンコ店自体は私は別に好きではないので、できるだけ短時間でメイクを直してさっさと店を出ます」 　また、女性トイレ限定で綿棒などのアメニティを用意している店もある。「混まない、使い勝手がいい」というメリットを、パチンコ店のトイレを使う女性は理解し、ひっそりと利用していた。 　しかし、パチンコ店のトイレは好きだが店舗自体は好きではないと語る川口さん。その理由は？ 「やっぱり店内がうるさいんですよ、客層もいいとは決していえないですし。一度、おじさんにじろじろと見られて嫌な気分になったことがあります。手軽に利用できるぶん、そのくらいのデメリットは受け入れてますけどね」 　再開したパチンコ店を邪険に扱うのも構わないが、ぜひ物事を多面的に考え、ポジティブな側面を探してみてほしい。少しだけ便利な発見ができるかもしれない。 〈取材・文　大田コトラ〉