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我々は野蛮人を目にした。中井徳太郎環境事務次官と石原宏高副大臣だ/倉山満

官僚は、税金の管理が仕事である。公の場で「税」のあり方について答弁するなど、明らかな暴走だ

 言ってしまえば、国民からしたら徴税は「権力によって正当化されたカツアゲ」にすぎないのだ。権力とて監視が行き届かず腐敗してしまえば、いくらでも悪用できる。官僚が暴走したときに政治家が止めなければ、国民はいくらでもカツアゲされてしまうのだ。 「カツアゲ」との表現を厳しすぎると思うなら、『聖書』でも読んでみよ。徴税人がどのような存在として扱われているか。暴力団と同等だ。  どこの国でも徴税人とは似たようなものだから、人類は歴史を積み重ね、現代の文明国では「官僚とは国民に仕える僕(しもべ)」であるとの倫理が徹底されるのだ。  それを官僚の側から「予算として使いたいから増税したい」と言い出すとは何事か。本年3月19日、参議院財政金融委員会でNHKから国民を守る党の浜田聡議員から「どのような税が理想と考えているのか」との質疑があった。これに対して、矢野康治主税局長(現・主計局長)は以下の趣旨の答弁をしている。 「憲法上の三大義務である納税は租税法律主義、国権の最高機関である国会でお決めになられること。事務屋として、あるいは政府の一部として財務省主税局が口にするべきこと自体が僭越」 「まさに選出された代表者の間で、国民の総意で決めて頂くということにつきる」 「税に関しては価値観十人十色と言われる、どうしてもこれが正しいということはないと思う。そういう意味でも私ども事務方としては国民の皆様の考え方に幅広く耳を傾けて決めるべきこと」  最後に矢野氏は、「我々の分際では」との表現まで使って、官僚として守るべき矩(のり)について答弁している。  矢野氏はいくつかのメディアで「原理主義者」と指摘されるほどの、増税強硬派である。小泉内閣で課長だった時には、財政健全化を目指す立場から「景気回復は単純には歓迎できません」とまで言い切っている。だから単なる増税派を超える「増税原理主義者」と目されている。だが、超えてはならない一線は知っている。  動画で残っているので確認してほしいが、浜田議員の質疑に対し、矢野氏は「それは答えてはならないので」と目が訴えている。官僚が、一言でも「税」のあり方について答えてはならない意味を、税の専門家として知っているからだ。
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石原宏高環境副大臣がツイッターで炎上
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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