更新日:2020年12月24日 23:23
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大反響ベストセラー小林よしのり『コロナ論』が投げかけた問い

いつの時代も強い「個」を持った人はひと握り

 今回のコロナ禍で、日本は“コロナ・パニック”に陥ったと言っても過言ではないだろう。政府は感染拡大が続く4月初旬に緊急事態宣言を発出。人の移動や営業の自由といった「私権」を著しく制限したが、この間、テレビのワイドショーなどは時に誤った情報を垂れ流すなどしてひたすら恐怖を煽り続けた。この結果、4~6月期のGDPは年率27.8%減と戦後最悪の下落幅を記録。そのインパクトはリーマンショックをはるかに上回り、世界恐慌に匹敵するほどの落ち込みとなったのは周知の通りだ。  当然、価値観を大きく変容させられた人も多い。再び読者の声を列挙する。 「子供が休校中だった3~5月は、毎日公園まで散歩して、スーパーへ買い物に行くのが精一杯の『反逆』でした。ソーシャルディスタンスと言われて育った子供たちは将来キスできるのか? 強くなりたい」(ペンネーム・大食いパンダペン 44歳女性 主婦・パート) 「すばらしい内容でした。こんなにいろいろな情報にアクセスできる時代なのにマスコミが言うことを信じて思考停止する人や、戦時中のように同調圧力に屈する人が多いことが残念でなりません。『コロナ論』を読んで、いつの時代も冷静な判断ができて強い『個』を持つ人はひと握りということがわかりました」(匿名希望 35歳男性 会社員) 「一年ほど前に病気で障がい者となりました。毎日普通に仕事に行くことに幸せを感じていましたが、テレワークに変わったことで自宅勤務となり、自宅軟禁のようで悔しい思いをしました。早く日常を取り戻せるよう応援しています」(ペンネーム・T.T 42歳男性 会社員)

看護師をしているので「感染者差別」が何より恐い

 読者から届いた声をつぶさに見ていくと、当時からすでに多くの人たちが私たちの社会を縛る「見えない空気」に言いようもない違和感を覚えていたこともよくわかる。 「コロナより熱中症で死ぬ人が多いにもかかわらず、35℃を超える真夏日の炎天下で人々はマスクをして生活している。そんな狂った社会に『一石』を投じるどころか、『巨石』を剛速球で叩き込む快作だった。『コロナ論』が投げかけた問題提起が世に広がることを期待してやみません!」(塚原洋樹 47歳男性 無職) 「私は看護師をしているので『感染者差別』が何より恐いです。娘もいるので自分が感染したら学校で袋叩きに遭うんじゃないか? 職業をバラされていじめられやしないか? 医療従事者は外食するときさえなんでここまで引け目を感じなきゃいけないのか? など必要以上に『自粛』気味に生活してきました。だから、小林先生の書かれていることすごく共感しました」(ペンネーム・まりんこ 40代女性 医療従事者)

経済が回っていなければ私には「死」しかない

 同調圧力という「見えない空気」は差別と分断をもたらした。全国で他県のナンバーの自動車が陰湿な嫌がらせを受けるだけでなく、あろうことか、医療現場の最前線で戦う医療従事者への差別的振る舞いがあったのも、目をそらしてはいけない厳然たる事実だ。 「経済が回っていなければ私には『死』しかありません。この本の力で、元の生活を、以前のような社会を取り戻せるのか? 私も小林先生がいう『コロナ恐い全体主義』との戦いに参加したくなりました」(匿名希望 43歳男性 自由業) 「『命より経済が大事』ではなく、『命を守るために経済を守る』。改めて、うならせられる言葉です。当方、バスの運転士として働いていますが、マスクをせず運転してもクレームをもらうことはありません。みんなもう『マスクなんて意味がない』とわかっていると思います。『狂った公(おおやけ)』をこわすために、私も微力ながらお手伝いします」(ペンネーム・さるえもん 40歳男性 会社員)
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コロナ恐いの「空気」を跳ねのけてほしい
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