更新日:2020年11月01日 16:27
恋愛・結婚

Withコロナの結婚式。再三の延期、欠席者の続出で下した決断

地方に住む親族や友人から「欠席」の連絡が相次ぐ

招待状「東京都のコロナ感染者は他県と比べると多く、地方の人たちは今も東京に行くことがやっぱり怖いようです」  気づいたのは招待状を送った後だった。小池日向子さん(仮名・30代)は、2020年12月に東京都内で挙式と披露宴を控えていた。9月に招待状を送った小池さん夫妻だが、新郎の小池元治さん(仮名・30代)の実家は地方のため、親族や友達からは「欠席」の連絡が相次いだ。 「私たちは、みんなの事情を考慮して、来年に延期しようと決めました。でも、招待状を送ってしまっていたので……。すでに返信がきていた出席・欠席を問わず、全員に延期の連絡をしなくちゃと焦りました」  お互いの招待客ひとりひとりに電話して状況を説明した小池夫妻。当然みんな納得してくれたという。 「招待客は200人以上。状況が状況なだけにみなさん優しく受け入れてくれたんです」

親族のみでの「婚前式」

 結婚式は延期になったとはいえ、親族だけでの「婚前式」は絶対にやりたかった小池さん。急遽、親族のみで10月下旬に行うことにした。新婦の親族は東京に多くいるため出席することになったという。  一方で、地方に住む夫の親族は……。 「旦那は両親のみ呼ぶことにしました。しかも日帰りで。深夜バスで来て婚前式の後に深夜バスで帰る超過密スケジュールです。それでも、このコロナ禍で田舎から東京に来ることに対する最善の移動手段だったと思いますよ。来てくれるだけでも感謝しました」  新郎の親族は2人、新婦の親族は20人以上だったため、新婦側の親族何名かは新郎側の席に座ることになった。そして先日、婚前式を迎えた。天気にも恵まれ無事に終えることができた小池夫妻。 「急でしたが、楽しくて思い出深い婚前式でした。私の父は、挨拶の場面で、2曲歌を披露したのです。シラフで、ですよ(笑)。私も母も止めることはせず、終始笑顔の絶えない素晴らしい日になりましたし、自慢の親族たちです」  コロナ禍が終息したら、友達や会社の関係者も呼んで大きな結婚式を挙げる予定の小池夫妻。2021年には、その夢が叶うようにしたいと切実な想いを訴えた。  結婚式は本来おめでたいはずなのに、コロナ禍によって複雑な状況に陥ってしまった新郎新婦たち。その苦悩は計り知れない。2021年は、みんなが幸せで楽しめる結婚式ができるような世の中に変化してほしい。<取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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