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白鵬、鶴竜は休みすぎ? 歴代横綱の休場率を調べてみた

公傷制度の復活は必要か


 実はこの稀勢の里、かつては「絶対に休まない力士」であり、横綱昇進までの15年間、なんと1日も休んでいなかったのだ。その稀勢の里を何場所にもわたって休ませたのは、あの強行出場が原因だと考える向きもある。  しかしそれは、本人の意地以外に制度としての問題も考えなくてはいけない。現在は、休場が負けと同等にカウントされるため、番付が下がるのは免れない状況になっている。しかし、横綱だけは番付が下がることがないため、横綱の休場はズルだと見られる向きもあるのだ。  かつては「公傷制度」という、ざっくり言えば「本場所での怪我であれば、休んでも負けにはカウントしない」といったものがあったが、2004年に廃止されている。その背景には「公傷制度を使ってズル休みする力士の増加」があったが、これは力士の問題ではなく、怪我を公傷として判断し承認する協会側の規定の緩さの問題だ。筆者は、公傷の判断をさらにしっかりと規定した上での、制度の復活をのぞむ。

力士の過労問題

 横綱だけでなく、角界全体で休場力士は増加しているが、それには「力士の働きすぎ」も遠因であると考えられる。江戸時代の川柳に「一年を二十日で暮らすいい男」というものがある。相撲の興行はその昔、年に2回それぞれ10日のあわせて20日しかなかった。現在は15日間の本場所が年に6場所あり、さらにその合間に全国を巡業として飛び回っているのである。この巡業が、相撲人気の上昇とともに急増しているが、力士が怪我の療養にあてる時間は極端に減らされているのが現状だ。  巡業には、地方の人にも相撲の楽しさを生で体感してもらうのが目的がある。筆者は、相撲界を2チームに分けて各地を巡れば、回数も減らさずに力士の負担も半減できるのではないかと考える。  様々な問題が絡む力士の休場増加問題。いずれにしても相撲ファンにしてみれば全ての力士が元気な姿で土俵に上がって、いい取り組みが見られるのを願うばかりである。<取材・文/Mr.tsubaking>Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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