全項目に筆者が回答してみた
とはいえ、チェックリストというのは「どうしてこのようなことを確認する必要があるか」という理由まで添えないとわからないことも多い。なので、ここからは先ほどのチェックを元に僕の体験も交えながら解説したいと思う。
上記のリストはなにも「男性→女性」だけを想定したものではないが、「セックスがしたい!」「女性にモテたい!」という方も多いだろうから、そんな方にはモテ術としても使えるはずだ。
男性も女性も「どうしてここまで確認する必要があるんだろう?」と思ってる人は、ぜひこれを1つの意見として参考にしていただきたい。
1. 二人きりでデートに行くことは、性行為を前提としている
まあ、こんなことを思ってる人はほぼいないだろうが、たとえば「食事を奢ったらセックスできて当然」と考えている男性はわりといるなと思う。昔テレビで某芸人さんが「頑なに奢らせない女性を見ると『こいつ絶対ヤらせへんつもりやな』とは思う」なんて発言したが、そういうところを「脈アリ・脈ナシ」の判断に使っている男性はいるのだろう。
女性側からすれば「そういうつもりで奢ったんなら、最初からそういっといてよ。断るから」という話だ。性行為できるからお金を払うのであれば、それは風俗と同じではないか。風俗嬢に対してお金を払うのはわかるが、女性は全員風俗嬢ではない。
2. キスをしたら、性行為をしてもいい
これもそんなわけはないが、キスの勢いのまま押し倒す人はいるので、やはりそういう人には「だから、セックスしてもいいとは限らない」と認識をして欲しい。というか、キスについても確認しろよと思う。
たまにドラマとかで「不意打ちのキス」みたいなのを見かけるだろう。女の子が振り返って、そこに男性がチュッみたいな。そういうドラマに女の子が「キャー! 素敵ー!」といっているのを見て、「なるほど、女はいきなりキスされるのが好きなのか」と勘違いする男性がいる。
僕なんかは同じ男性だが、いまは視点が違って「これ、ドラマでお互い両想いなのを視聴者側は知ってるからロマンチックなシーンになるけど、もし女の子が何も気持ちが無くて、男がただ勘違いしてるだけだったら、相当なホラーシーンだよな……」なんて考えたりもするわけだ。
3. 相手がイヤと言っていても、「イヤよ、イヤよ、も好きのうち」なので、性行為をしていい
これなんかは先述した、古谷経衡さんの「『嫌』だったらNoなんですけど、『ダメ』っていう子がいるんですけどそれはいい」みたいな話とも繋がってくるが、「イヤ」といわれても言い方によって変わるという意見。
同じ男性としてアドバイスしたいのだが、仮にそれが本当に女の子側の「イヤっていっててもわかるでしょ? そこを男らしく襲って!」というアピールだったとしても、言葉として「イヤ」といわれたらやめていい。
「なんだって! 女の子の気持ちを察するのが男だろ!」
と思った方がいたとしたら、セックスが下手そうな人の意見だなと感じる。言葉として「イヤ」といってる相手を襲えばそれはレイプなわけだが、「女の子の気持ちを察する」ためにレイプ魔になるくらいなら僕だったらその場で行為を辞めて帰宅する。
確約が取れてない性行為を「きっと相手は口ではこういってても、心の中ではこう思ってんだろう」で行動するのは、結局のところ「自分がヤリたいから、そう思いたい」ということにしかならない。相手を慮ってるように見せて、自分がヤリたいことをやってるんだから、セックスも相当下手そうだ。
そういうSMごっこ的なプレイが男女共にしたいというなら、僕なら「『ダメ』なら止めないけど、『イヤ』だったらすぐ止めるね」と事前にお互いに共通認識のNGワードを設定しておく。
プレイとして相手を拘束したり、お尻を叩いたりするのも同じだ。やるならお互いが納得したルールの中でやる。そんな確認も上手くとれない程度の親しさの相手なら、まだそういうプレイは2人には早いということだ。
4. 相手がイヤと言ってなかったら、性行為もOKのサインである
ABEMAの同番組ではカナダ出身の男性タレントからの「No means No.」「NoはNoです」「最初Yesでも、途中でNoになったらNoになります」との発言があり、千原ジュニアさんはこれに「わかりやすい」と称賛した。
僕はこれもまた違うと感じる。「イヤならイヤといえばいい」とか「イヤなら抵抗するはずだ」というのはよく見る意見だが、自分よりも体格も力も勝る男性相手に「抵抗すればいい」というのは力で相手と渡り合えると思い込んでる男性特有の発想だなと感じる。
それこそ男性だって「ナイフを持った相手にでも立ち向かえ」といっているようなものだ。それでその男性が脅されてお金を渡したり、相手の要求を飲んだら「合意」と思われたるなんて理不尽な話だろう。
「イヤといってないからオーケー」じゃなくても、「イヤじゃないかその都度訊ねる」のが大切だ。
1989年6月7日生まれ。男性でありながらAV女優として、大手AVメーカーKMPにて初の専属女優契約を結ぶ2015年にAV女優を引退し、現在は作家活動を行っている。ツイッター
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