更新日:2020年11月30日 16:07
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「ミリオンゴッド凱旋」の撤去でパチンコ店の廃業と違法営業が急増

凱旋撤去で廃業するホールも……

 ベニア板の方がマシだと考えるくらい、代わる存在がないのが凱旋という機種。これが撤去されるタイミングに合わせたかのように廃業するホールも目立つようになってきた。 「緊急事態宣言で休業して、そのまま廃業したホールも少なくありませんでした。また宣言解除後に営業を再開したホールも、全国平均で8割くらいしか稼働が戻っていませんし、もちろんそれ以下というホールもありますから、もう先はないなと存続をあきらめているところも少なくないです。でも凱旋があるから、なんとか最低限の売上げがあったというホールもあって、そんなところは今回の撤去で廃業しているようですね。  また凱旋以上にホールにとっての貯金箱といわれる沖ドキ!という機械がありますが、これも来年1月に撤去が控えてます。それがなくなった段階で、廃業ペースが加速するというのが多くの業界関係者に共通した意見です」(業界誌記者)

まだ凱旋が打てる店が存在する裏事情

 一部のホールでは凱旋を撤去せず、認定がない状態で動かしているところもある。これは完全に違法状態であり、行政からの指導は免れない。また業界としてもそういったホールには新機種を売らない、中古機種を扱わせないといったペナルティを課しているというが……。 「年末年始で抜くだけ抜いて廃業しようと考えているのであれば、そんなペナルティは全く無意味です。またこれまでも業界の自主規制に従わないホールにはペナルティがという話は度々ありましたが、結局はなし崩しにもなっていました。要はやったもの勝ちというのがこの業界の悪しき伝統ですし、今回もやっぱりかというところがチラホラあるようです」(某ホール店長)  また大阪のように、認定時の手続きの差によって約2ヶ月も長く凱旋を使える地域もある。 「換金率もそうですし営業時間もそうなんですが、都道府県によって大きな違いがあるのがこの業界なんですよ。県境にあるホールは特に影響が大きく、まずはそこを是正して欲しいですよね。ホールはなにかと足並みが揃わないといわれますが、まずは都道府県の公安委員会からお手本を見せて欲しいというのが正直な気持ちです」(前出某ホール店長)  凱旋の撤去によって加速するホールの廃業、さらには改めてクローズアップされた地域差など、業界を取り巻く環境は相変わらず混沌としたまま。ファン人口の減少にも歯止めがかからない状態が長く続いているが、「凱旋がなくなったらもうパチスロをやめる」というファンからの声も聞かれるだけに、今回の撤去によって業界が受けるダメージは、我々が考えるより大きいのだけは間違いなさそうだ。
ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。
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