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老舗パチンコメーカー「西陣」の廃業でパチンコ業界に激震。高尾倒産との‟決定的な違い”

廃業の知らせは唐突に……

西陣

西陣が廃業を発表した翌日の上野のショールーム

「人生の1割くらいは、遊んでいい。」とは、遊技機メーカーである西陣のキャッチコピーです。なかなかいい言葉ですけど、筆者の場合は1割どころか5割くらい、もしかしたらそれ以上遊んでいる気がします。  それさておき、この3月1日にまたもや“業界激震”のニュースが駆け巡りました。同社のホームページに夕方アップされた、「このたび弊社は廃業することになりました。」というショッキングな一文から始まるお知らせ。  さっそく遊技機の販売を手がける業界関係者に聞いたところ「昼くらいにはこの文章がラインで流れて、上野村(注・パチンコ業界関連の企業が集まる上野エリアの通称)は大騒ぎだよ」とのこと。確かに長らくこれといったヒット機種に恵まれていなかったメーカーですが、西陣といえば老舗中の老舗。ホームページによると戦後間もない昭和26年に創業したとのことで、その歴史は実に70年以上もありました。

羽根モノで圧倒的なシェア、CR花満開も大ヒット

 特に昭和50年頃からの羽根モノ全盛期には圧倒的なシェアを誇り、筆者が学生の頃に打ちまくった銀河の鉄道をイメージしたセル盤デザインが有名な「D-51」、陽気なヒゲのイタリア人が主人公で役物に磁石を使って玉が上っていくというアイデアで斬新知られる「スーパーブラザーズ」、羽根モノ=ヒコーキ台という固定概念を覆してヘリコプターを使った「レッドライオン」などなど、珠玉の名機の数々が思い出されます。  羽根モノだけでなく、デジパチでも数多くの名機が西陣からは生まれました。パチプロ集団が攻略してドル箱を積み上げ、ワイドショーでも取り上げられた連チャンデジパチの「春一番」。また平成に入ってからは脱税防止という旗印の下、行政の強い意向で導入が進められたCR機を一気に普及させた大ヒット機種「CR花満開」も西陣の機械でした。
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高尾、マルホン工業の倒産との決定的な違い
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ライターとして25年のキャリアを持つパチンコ大好きライター。攻略誌だけでなく、業界紙や新聞、一般誌など幅広い分野で活躍する。

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