AさんのWINTICKETでの還元率は現在2％だが、月間購入額が30万を超えれば3％まで上昇する。Aさんは普通にギャンブルをしているだけなのだが、ポイ活に完全に徹した人たちもいるという。それは競輪の堅いレースのワイド車券にぶち込む方法だ。 「僕よりも若いファンの中にはけっこういますね。ガールズケイリンの予選レースでは現在クラス分けがないので有力選手と下位選手との力差の大きい鉄板番組がよく出現します。そして、競輪には単勝複勝がないためワイドが鉄板勝負の主戦場となっています。1.0倍の元返しになるのですが大量に投票が集まるんです。普通、競馬とかで1.0倍なんてオッズを見たらお金が増えませんから敬遠して買いませんよね。でも、競輪でpaypayで入金をしてWINTICKETで買えば1.0倍でも問題ないんですよ」 　たとえばガールズケイリンの予選で力の抜けた二人のワイド1.0倍を30万円買ったとしよう。普通に考えれば当たっても1円も増えないのでリスクしかないのだが、競輪の場合は違っている。競輪のワイドはWINTICKETを含め、ほとんどの民間投票サイトでのポイント還元は対象外になっているのだが、paypayで入金すればpaypayで還元されるのだ。 「ワイドが民間投票サイトで還元対象だったときはメチャクチャ売れてました。規制がかかって一時期すこし落ち着いたのですが、paypayでの入金がpaypayの還元対象になると知られてから今では以前と変わらず売れてます。逆に今、その鉄板が崩れるレースに逆張りする車券師もいるので、実はガールズケイリンではワイドがハイレベルな戦いになってますね。僕は普通に楽しみたいのでそこには参戦しないですけど」 　今やギャンブルもポイ活の時代。もはや当てることだけが「ギャンブルの勝ち」という時代ではないのだ。そして、その鉄板目に集中することを狙って、逆張りする猛者も現れ……と、公営競技ネット投票は新しいギャンブルの地図が出来上がっているのである。 公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。