新型コロナの感染拡大で、例年とは雰囲気が一変すると予想される今年の年末。繁華街では全国的に休業や営業時間の短縮などの要請を受け、先が見えない状況だ。
この12月が明暗を分けるともいわれる夜の街だが、年が明ける1月にはどのような変化を遂げるのだろうか? ド底辺キャバ嬢のカワノアユミが、取材した街の声とともに考察をしてみる。
高級クラブは大打撃を受ける

感染防止対策のために使い捨てマドラーを使用するミニクラブ(大阪・北新地)
まず、話を聞いたのは北新地のミニクラブに勤務している女性。
「年末の忘年会はすべて中止、接待交際費としての経費も落とせないという企業が増えています。また、常連客の社長やお偉いさんの中には会社で自粛命令を出しているので自分だけ飲みに行くわけにはいかないという人も。
さらに、先月26日から始まった時短要請もあり年内の客入りは絶望的ともいえます。仮に解除されたとしても、これまで感染拡大の度に名指しされてきて何度も自粛をいわれてきたんです。年が明けてもコロナ以前のような客入りは望めないと思いますね」
先月から、東京の銀座では三度目、大阪の北新地では二度目の時短要請を受けた。年内に閉店するという店の噂も絶えず、接待を伴う高級クラブやラウンジは年明けにもっとも打撃を受けるのではないのだろうか。
では、キャバクラはどうなのか。大阪梅田のキャバクラに勤務する女性に話を聞いた。
「梅田ではうちの店を含めて感染対策を実施した上で営業している店は多いです。要請は1グループ毎の扱いなので、協力金をもらっても従業員の給料にはとても足りないようですが。
毎年、年末は12月中旬頃から忙しくなるので12月11日までの要請は、タイミング的にまだマシかと思います。今年は忘年会を中止する会社も増えていますが、梅田は地元の人間がポケットマネーで飲みに来る街。お客さんも自己責任で来て、キャストも出勤したい子だけする……という感じですね」
筆者も過去に梅田のキャバクラに勤務していたことがあるが、正月営業のときは帰省客や地元客で混雑していた。自粛する店が多い中、営業しているキャバクラに飲みに行く……という人間は案外多いのかもしれない。