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宅配便の気になる荷物の中身。実は意外なものだった

箱の中を覗く

写真はイメージです

 田舎の親から東京にいる子供に届けられる宅配便。封を開けた時に漂う懐かしい匂い、送りものに込められた親の想い……宅配便には、物だけではなく人の想いをも届けている。今は、ECの荷物のように無機質なものが増えているが、少し前までは想いの込められた荷物が大半を占めていた。しかし、その荷物に込められた想いとは良いものばかりではない。恨みや憎しみ、怒りなどの負の想いを含んだ荷物もある。  一人暮らしの女性宅に、別れた男から毎日のように嫌がらせの宅配便が届くようなことがあった。着払いで空箱だけが毎日届き次第にエスカレートしていく。道路工事などで使われるパイロン、いわゆるカラーコーンに着払い伝票を貼り付けたものが届くようになった。もちろん差出人は偽名であり住所も存在しないものである。別れた男とは断定できないが、その女性は姿の見えない無言の脅迫にただただ怯える毎日であった。  宅配便には、良いも悪いも言葉以上に相手に想いが伝わるものである。

荷物の中身は必ずしも品名通りのものではない

 多くのセールスドライバーは、伝票に記載している品名を見ればその人の趣味や日常を汲み取ることができる。品名に「ゴルフ用品」と書かれてあればあそこの家の旦那はゴルフが趣味だとか、「健康器具」とあればあそこの家の娘はダイエット中だとかだいたい察しがつく。ベテランのセールスドライバーくらいになると荷主の会社名や荷姿で中身を推測し判断することもでき、その家、その人の生活レベルまで知ってしまうことさえある。もちろんセールスドライバーはそのような個人情報を他にもらすようなことはない。  届ける荷物の中には家族や他人に知られてはまずい荷物もある。家族や友人などには知られたくない趣味をお持ちの方もいるであろう。荷物を荷受けする際には品名を記入してもらうが、必ずしも品名とおりのものが入っているとも限らない。  筆者がセールスドライバー時代、ある家に荷物を届けた後に暫くしてから「荷物の中身が違う」という内容のクレームが入ったことがあった。行ってみると、 「伝票の品名欄にはライターって書いてあるのに、こんなものが入っていたんですよ」  女性が箱から取り出し見せたものは、短いスカートを履いたアニメのキャラクターフィギュアであった。 「うちの人、タバコ吸わないのにライターっておかしいと思っていたのよね」  荷物は、そこの主人の宛名になっているにも関わらず、荷物を受け取った奥さんが勝手に開けていたのだ。 「もう一度ご主人に確認してから連絡して下さい」とその場を宥めたが、その後にその主人から「なんで荷物を妻に渡したんだ」というクレームが入ったのはいうまでもない。結局、その荷物は返品することになった。  今や家族内でも個人情報保護法が機能している。オークションなどの個人間でやり取りする荷物は、カモフラージュとしてダミーの品名を記入することも少なくない。上記のケースなどは詰めが甘いケースだが、巧妙に品名だけではなく荷姿にもカモフラージュをかけているものもある。中には法に触れるものが入っている荷物もあるかもしれない。そうなれば知らない間にセールスドライバーは犯罪に加担してしまっているのか……。  荷物は家に届けるものではなく個人に届けるものとなった。しかし、そんなことをしていたら今の巣篭もり時代、物量がふえているのに配達など終わるはずもない。
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