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「お酒に見えない」と話題の缶チューハイ、酒好き女子にも密かに人気

大谷雪菜

イラスト/大谷雪菜

お酒の陳列棚からうっかり見落としてしまう

 コンビニの袋に入れて飲んでいるから余計にアル中感が出てしまうんじゃないかというツッコミはさておき、肝心の味も気になることだし、とりあえず一度は買ってみようとコンビニへ向かった。レジ前を突っ切って店内の奥へ、ペットボトル飲料のコーナーを通り過ぎお酒コーナーへ。  あれ? ない? 端のビール類からチューハイ類へ、上から下まで視線を移動させる。色んな種類のレモンサワーがあるが「レモンクラフト」は見当たらない。もしかして置いてない? と思って戻ろうとしたら、あった。ペットボトルの清涼飲料からお酒コーナーに切り替わる中間ぐらいの!ブラックコービーの隣に!! かなり見過ごしていた。まだわたしの脳があの形状を缶チューハイと認識していないのかもしれないが、同じキャップ式の缶コーヒーの近くに並べられると結構紛らわしい。大きく檸檬と書いてあるから、ちゃんと見ればコーヒーとは間違わないけれど、配置によってはお酒だと思わないで買ってしまう人もいるかもしれない。  黄色い缶の極上レモンと、緑の缶のグリーンレモン、二種類どちらも手に取ってレジへ向かった。レジ先での「年齢確認が必要な商品です」という馴染みの音声に何故かちょっとした安心感を覚えつつ、自宅へ戻っていざ開封。

気になるお味は?

 まずは極上レモンのほうから。  一口含むと、まず最初にレモンの香りがふわっと鼻に抜ける。人工的な香りというよりは、レモンピールを齧った時のような自然な香りだ。仄かに甘く苦みや酸味は控えめで、「缶チューハイです!」っていうレモンサワーではなくて、バーで頼むレモンリキュールのソーダ割という感じの少し上品な味わい。すいすい飲めて女性受けがよさそう。  そしてお次はグリーンレモン。  一口どころかのっけからグラスに注いだ一杯を飲み干してしまった。ああ、これ好きなやつ。キリっと酸味が効いていて、あとからしっかり苦みが舌の上に心地良く残る。香りはなんというか、極上レモンのほうとはまた少し違った、熟れていないすっきりと爽やかなレモンの香りがする。甘味はほとんどないので、甘いチューハイに抵抗のある男性にもおすすめできる。個人的にとても好みで、あっという間に一本なくなってしまった。  ついつい家に辿り付く前や目的地への道中飲みたくなってしまった時に、真昼間から持ち歩くのにもってこいかもしれない。キャップ式だから飲み切らなくても一旦鞄にしまえるのも良い。味のバリエーションがまだ二種類に限られているが、この先さらにいろんな味が増えゆくことも期待したい。帰りの通勤電車や真昼間の公園など、ふだんちょっと人目を憚って缶チューハイを飲んでいる飲兵衛たちは試してみてほしい。
(おおたにゆきな)福島県出身。第三回『幽』怪談実話コンテストにて優秀賞入選。実話怪談を中心にライターとして活動。お酒と夜の街を愛するスナック勤務。時々怖い話を語ったりもする。ツイッターアカウントは @yukina_otani
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