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居酒屋でソフトドリンクしか飲まない客は「店にとってはありがたい」

一般的に30%が目安だといわれる外食店の原価率。昨今の“コスパ志向”の高まりや原価率35%を超える高原価店の繁盛も相まって注目を集めることも増えた「原価」だが、さまざまな要素が複雑に絡み合って成り立っており、その世界は実に奥深い。原価を知ると、普段、なにげなく利用している外食店の知られざる新たな一面が見えてくる ◆最も原価率が低いのはサワー、チューハイ系<居酒屋> サワー サラリーマンの夜のオアシス・居酒屋。激安店も多いなか、原価計算はどうなっているのだろう。 「まず、最初に出てくるお通しはチェーン店と個人店で原価が大きく分かれます。業務用のお惣菜を使っている店では原価はだいたい数十円で原価率は10~15%ほど。ただ、きちんと毎回手作りするような優良店では、採算度外視で1皿100円近い原価をかけることもありますね」(居酒屋店主)  そして居酒屋となれば、気になるのが、アルコール類の原価。 「一番原価率が高いのは、やっぱりビールです。大量入荷できるチェーン店なら1杯160円前後で、個人店なら200円ほどなので原価率は30%超となる。一方、原価率が低いのはチューハイやサワー系。リキュールを割るだけなら1杯30円以下ですが、果物を使うものは原価が上がって100円を超えてしまいます。ただし、それでもフードよりは原価率が低めで、25%ほどですね。カクテルや梅酒類の原価は1杯100~150円前後です」  また、居酒屋では酒を頼まねばと、肩身が狭い思いをしている下戸の人に耳寄り(?)な情報も。 「ソフトドリンクしか飲まない客は店に嫌がられる印象がありますが、実はまったくそんなことはない。ソフトドリンクはもともとの価格が安いとはいえ、1杯の原価が30円前後。まるまる数百円の儲けなので、ありがたいです」 ※写真はイメージです ― [外食店の原価]教えます【8】 ―
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