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サッカーの神様・マラドーナの栄光と転落が、秘蔵映像で明らかに

 2020年11月25日、世界で最も偉大なサッカー選手のひとり、元アルゼンチン代表FWディエゴ・マラドーナがこの世を去った。FCバルセロナに所属するアルゼンチン代表FWリオネル・メッシや、ユベントスに所属するポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドなど、多くの現役スーパースターがSNSなどで哀悼の意を表明したことからもわかるように、世界中のサッカー少年があこがれ愛されたスーパースターだった。
Diego Maradona, Naples, Italy 1987

Diego Maradona, Naples, Italy 1987

“サッカーの神様”マラドーナの光と闇

 それからおよそ2か月が経ち、彼の栄達と凋落を描いたドキュメンタリー映画『ディエゴ・マラドーナ 二つの顔』が2月5日に日本で公開となり反響を呼んでいる。  アルゼンチンのプロサッカーリーグ戦史上最年少となる15歳でデビューを果たしたマラドーナは、スペインのFCバルセロナを経て1984年にイタリアのナポリへ移籍。1986年に開催されたメキシコ・ワールドカップで母国を優勝に導き世界的な名声を得た。その直後の1986-87シーズンではナポリに国内リーグ戦初優勝をもたらし、“サッカーの神様”と称されるようになった。  本作では本人の協力を得て約500時間の秘蔵映像をもとに、本人や関係者のコメントを編集して構成されている。マラドーナが神格化されるまでに起こした奇跡のようなスーパープレーの数々も収録されており、彼が栄華を極めた理由が本作でもはっきりと理解できる。

本人が「見ないでほしい」とまでコメント

 しかし、本作が昨今のドキュメンタリーと異なるのは、その後に堕落していく理由まで描かれている点だ。カンヌ映画祭でのワールドプレミアのポスターには、『Diego Maradona』の原題のすぐ下に“Rebel. Hero. Hustler. God.”との言葉が並ぶ。「反逆者であり英雄であり詐欺師であり神である」という意味だ。このポスタータイトルに対してマラドーナ本人は納得していないことを明かし、「見ないでほしい」とまでコメント。本人にとっては、見られたくない闇が赤裸々に描かれている。
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なぜマフィアに取り込まれた?
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