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石破茂・元防衛相を直撃。尖閣諸島の緊張再び…武器を持った中国船に日本は

「砲らしきものを搭載していたが、詳細は承知していない。断じて容認できない」  2月16日、加藤勝信官房長官は、中国海警局の船舶2隻が沖縄県尖閣諸島周辺の領海に侵入したことを受けてこう強く抗議した。

中国「海警法」施行で一触即発? 尖閣を巡る日中“激アツ”バトル

尖閣

写真/時事通信社(海上保安庁提供)

 2月1日に中国の海上保安機関である海警局の武器使用を認める「海警法」が施行されてから、尖閣諸島を巡る日中間の緊張は新たなフェーズに突入した。  海警法では中国の主権が及ぶ海域を「管轄海域」と表現し、管轄海域で国家主権などが侵害されれば、外国の公船でも「武器使用を含む一切の必要な措置を取る」と規定。ただ管轄海域がどういったものかの定義はされておらず、恣意的に解釈されかねない。  1月に誕生した米国のバイデン政権では、「対中強硬派」で知られるブリンケン国務長官がアジア太平洋の外交戦略を担うことになり、これに伴い、中国側も尖閣諸島や南シナ海周辺での活動を一層強めてくる懸念が高まっている。  そんななか、「今のままではグレーゾーン事態が勃発しかねない」と警鐘を鳴らすのは、防衛大臣や自民党幹事長を歴任した石破茂氏だ。  ワクチン接種が始まっても日本ではコロナ対応を巡ってドタバタが続いているが、こうした間隙を突いて中国が何らかの行動に出る可能性はあるのか? 今回、政界きっての「安全保障のスペシャリスト」である石破氏に話を聞いた。

元防衛大臣・元自民党幹事長 石破茂氏に直撃!

――中国で施行された海警法は国際法に違反しているのではないか。 石破:中国海警の公船は白い船体に青のストライプが描かれ、見た目は日本の海上保安庁の巡視船のよう。しかし、海警法によって、法の執行機関から事実上“第2の中国海軍”になったと言っていい。  警察が守るのは個人の生命、財産や公の秩序だが、軍が守るのは国家主権。日本の尖閣諸島だけでなく、フィリピンと領有権を争う南沙諸島やベトナムと争う西沙諸島における中国の“主権”を守るために、海警の艦船が出向き、場合によっては実力行使を認めるとする。  国際法に反する態様も予想されるが、中国は自分たちが決めたことこそが世界のルールだと考える。 ――なぜ、このタイミングで中国は海警法を施行したのか。 石破:昨年、中国は香港の一国二制度を事実上反故にする国家安全法を施行。民主活動家を厳しく弾圧したが、外国からの反発も彼らの予想よりは小さく、“第2の天安門事件”にはならなかった。  次に年末には国防法を改正し、人民解放軍が党の軍隊であることを明確にし、海外にも軍を投入できるようにした。国家統一の名のもとに香港を呑み込んだ中国の残された野望は台湾だ。台湾海域への進出を考えれば、尖閣諸島の重要性が増してくる。  こうした流れのなかで、海警法が施行され、日本の巡視船に対しても武器を使用する意思を明確に示した。先進諸国がワクチン接種などコロナ対応で手いっぱいな隙をつき、中国は着々とシームレスな法整備を進めている。
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日本のとるべき対応策は?
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