更新日:2021年12月01日 09:04
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ラブホテルがコロナで変わる! 過熱するサービス合戦の実態

シティホテルから業態変更したラブホテルも

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チェックイン後に選べる「ウェルカムサービス」がちょっとしたサプライズに。シティホテルのサービスはそのままに、休憩・宿泊・サービスタイムと利用時間を選べるのも魅力

 日向氏は、進化系ラブホテルが乱立する背景をこう読み解く。 「コロナで新プランが増えたことで、ラブホテルは“Hだけの場所ではない”という認識が高まった。今後ラブホテル業界はますます多様化していくでしょう」  また、近年ではシティホテルから業態変更したラブホテルも登場している。 「錦糸町のラブホテルは、部屋には『ウェルカムサービス』のボードが立てかけられてあり、電話をしたらフルーツを届けてくれた。部屋に入ってから初めてわかる、こうしたサービスは嬉しいです。また、エレベーター内に除菌が施されていたのもポイント高いです」  高級シティホテル好きの栗田華乃子さん(仮名・20代)は、ラグジュアリー化した最新のラブホテルに感動を覚えたという。 「コロナ禍でわかったのは、不況でもカップルユースが手堅いこと。高級ホテルの『デイユースプラン』も意外なところで苦戦したと言われています。休憩と宿泊で一日の回転率が上げられるのはラブホテルの強み。カップルへより着目するシティホテルが出てくるのも頷けます」

今後、ラブホテル業界はどう変化する?

 こう語るのは、ラブホテル業界誌への連載を持つホテル評論家の瀧澤信秋氏。では、ラブホテルと一般ホテルの定義の違いは何か。瀧澤氏は次のように解説する。 「元来、ラブホテルは風営法の許可が前提で業界では『4号ホテル』と呼ばれてます。法令で非対面のフロント、室内の精算機などラブホテル特有の細かい条件が規定されています。  ところが法改正により、フロントに人を置くことなどで風営法の許可を取らずに営業を行う『新法ホテル』というカップルユースにフューチャーする一般ホテルと同様の形態が注目されていった。リゾート感を売りにしたり、アメニティを充実させたりなど、“H”から“快適な空間の提供”に重きを置いたホテルも増え、『レジャーホテル』という呼称が一般的になっています」
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法改正後に建てられた「新法ホテル」は、シティホテルと同様チェックイン後の外出もOK。フロントにキーを預けてコンビニで買い物をしたり外食したりと自由度の高さが魅力

 今後、ラブホテル業界はどう変化していくのか。瀧澤氏は続ける。 「風営法の枠が外れれば、ラブホテル業界に新しい局面が生まれるのでは。新しい感覚のラブホテルとシティホテルがボータレス化していく日も遠くはないでしょう」  かつては忍び合う男女が“逢瀬を重ねる場所”であったラブホテルは、もはや平成の遺産なのかもしれない。
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出会い系&不倫が激減中。生き残るラブホテルとは?
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