更新日:2021年12月01日 09:04
恋愛・結婚

ラブホテルがコロナで変わる! 過熱するサービス合戦の実態

出会い系&不倫が激減中。生き残るラブホテルとは?

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「HOTEL LOTUS池袋」屋上に設置されたスポーツアトラクション。ボルダリングやバドミントンで汗をかいたあとは、貸し切り露天風呂へ

 コロナによる客離れが加速し、Go Toキャンペーンも対象外となるなど、ラブホ業界は空前の危機に瀕している。当然、この難局を乗り越えるには新しい経営の視点が必要のようだ。前出の日向氏は次のように語る。 「例えば都内を中心にチェーン展開するBest Delightグループはエンタメ性の高さが魅力。若者客の取り込みに力を入れているようです」  そこで、同グループの担当者に話を聞いた。 「2月にフルリニューアルした池袋『HOTEL LOTUS』では、屋上に貸し切り露天風呂とスポーツ施設を設置。さらに室内ビアサーバーなどの部屋も用意しました。特に貸し切りカラオケルームは人気で、カップルで来店して一人で利用するお客様もいるほど」  さらに今後のラブホテル業界については「当社社長の『ヤルだけのホテルは古い』という考えのもと、お客様に『来て楽しい、また来ようよ』と言っていただけるようなホテルを目指しています」と展望を語った。

20時以降の「居酒屋使い」が増加

 それでは、都内以外のラブホテルはどうか。 「埼玉県久喜市の『a(アー)』は、居酒屋メニューが充実。緊急事態宣言後は、中高年層の常連客が増えたようです」(日向氏)  同ホテルの担当者に話を聞くと、次のような回答が返ってきた。 「人気は、ささみ梅しそ竜田揚げ、山芋短冊揚げなど。20時以降の居酒屋使いのお客様は増えていたと思います。利用者が今後ますます鈍化する中、各世代に対応できるお部屋づくりを心がけています」
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「a」の居酒屋メニュー。20時以降の飲食店利用ができなかった時は、中高年を中心に需要が増えたという。「25cm超えのジャンボパフェが名物」(日向氏)

 ではラブホテルが今後生き残るために重要なことは何か。日向氏は次のように持論を展開した。 「“不倫・風俗・一般カップル”がバランスよく回転しているラブホテルが儲かると言われています。出会い系や不倫の利用者が減る中、リピーターを大切にしているラブホテルが生き残るのでは」  コロナの影響は、今後ますますサービス競争に拍車をかけそうだ。
日向琴子氏

日向琴子氏

【ラブホテル評論家・日向琴子氏】 評論家のほか、漫画家、エッセイスト、グラビアアイドルなど多岐にわたって活動。「ハピホテ」ほかラブホ連載も多数
瀧澤信秋氏

瀧澤信秋氏

【ホテル評論家・瀧澤信秋氏】 高級ホテルからラブホテルまで、忌憚なき批評とわかりやすい解説に定評。著書に『最強のホテル100』(イースト・プレス)など <取材・文・撮影/櫻井れき 時弘好香(本誌)>
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