ゲーム機、ピザ宅配、コロナ対策…進化するセキュリティシールの謎
メーカーが意図しない分解や開封、改造を防止するセキュリティシールをご存じでしょうか?
封印を剥がすと開封したことがわかり、メーカー保証がなくなるので、家電分解マニアには歯がゆいシールです。最近ではセキュリティシールの代わりに隠しネジが採用されたり、パネルの合わせ目にQ.C.PASS(品質検査合格)などのシールが貼られたりと、開封防止に関するバリエーションは実に豊富です。
こうしたシールはいつから見られるようになったのでしょうか?
ファミコンやプレイステーションなどにはなく、簡単に分解して改造することが可能でした。しかし、2000年に発売されたPlayStation2では、開封防止の封印シールが貼り付けられるようになり、ゲーム機改造マニアにはこのころから、シールの存在が広く認知されるようになりました。
ちなみに、40代以上なら聞き覚えのある「グリコ森永事件」では、店頭の食品に毒物混入を匂わせる脅迫が行われましたが、食品業界では、この事件を受けて透明フィルムで開封済みかどうかを判別できるようにシュリンク梱包化され、セキュリティを強化した経緯があります。
最近では、ゲーム関連以外でも、さまざまな製品で開封済みかどうかを目視で素早く判断できるようになり、セキュリティシールはますます進化し続けています。
例えば、某海外フードデリバリーサービスが日本に上陸し話題になったころ、ネットで配達員によるつまみ食いが多発しているという情報が出回りました。アメリカでは、30%近くの配達員がつまみ食いをした経験があるというものです。こういった行為に対してもセキュリティシールは有効で、店舗独自のシールから市販品を使うなど、さまざまなつまみ食い対策が取られました。
また、2020年以降は新型コロナの影響もあり、清掃や消毒済みを可視化する目的でも使われるようになっています。シールを剥がせばひと目でわかるので、清掃や消毒したことがすぐにわかるのです。
家電やゲーム以外でも広がるセキュリティシールの使い道
フードデリバリーでも使用されるように
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テクニカルライター。三才ブックスのマニア誌『ラジオライフ』にてガジェットや分解記事を執筆。買ったら使用前に分解するのがライフワーク
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