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サッカー日本代表、大迫勇也の“テンポライズ”に注目。日本の攻撃を活性化させる

 今日3月30日、サッカー日本代表がワールドカップアジア二次予選の対モンゴル戦に臨む。この試合を前に日本は25日に韓国代表との親善試合を行い、3-0で完勝を収めた。A代表デビューとなった山根視来(川崎フロンターレ)らの活躍が目立ったが、この日も相変わらずの気の利いたプレーで攻撃を活性化させたのが不動のワントップ・大迫勇也(ヴェルダー・ブレーメン)だ。特にチーム2点目となった鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)のゴールをアシストしたシーンは、大迫の持ち味が存分に発揮されたワンプレーだった。

鎌田のゴールを演出した、数秒間のタメ

 日本が1点を先制して迎えた前半27分だった。伊東純也(KRCヘンク)が自陣から蹴り出したボールに大迫が反応。ハーフウェイライン付近で前を向き、カウンターに入った。相手DFラインの裏には広大なスペースがあったが、周囲に相手DF3枚が残っていたこともあり大迫は“あえて”ドリブルをスローダウン。ゆったりとボールをキープし、味方の上がりを促した。この数秒間のタメがカウンター成功の呼び水となった。 「3人に囲まれるというのが分かっていたので、時間を作るようにしました。(鎌田)大地もしっかりとスプリントしてくれたので、そういった意味ではお互いが良い距離感でプレーできたと思います」(大迫勇也)  大迫を外から追い越すように前に出た鎌田がパスを受けゴール前に進入。さらに大外から伊東も鎌田を追い越していったことで2対1の局面を作り、鎌田のゴールに繋がった。起点となった大迫もすぐさまゴール前まで走り込むなど、シュートの瞬間に韓国ゴール前に入った日本の選手は5人。厚みのある、理想的なカウンター攻撃となった。

化学反応を誘発する大迫勇也の“テンポライズ”

 このゴールの起点となった大迫のように、攻撃を円滑にするためにあえてプレースピードを調整することを“テンポライズ”と呼ぶ。今回大迫が行ったのは、テンポを落とす方のテンポライズだ。  ハーフウェイライン付近で大迫が前向きでボールを持った時点で、大迫の前にいた韓国DFは2人。さらに19番のキム・ヨングォンがすぐ後ろから迫ってきていたので、大迫のコメント通り、数秒後には1対3の数的不利になるのが確定的な状況だった。後方から飛び出してくる味方を生かすには、味方が上がってくるまでの時間を数秒間稼ぐ必要があった。そこで大迫は攻撃をテンポライズ。絶妙なタメを作ったことで、韓国の守備は後手に回らざるを得なくなったのだ。  パッと見、何気ないプレーにも見えるが、大迫のテンポライズは巧みだった。ドリブルのスピードを落とし、あえて少しだけボールをさらすような持ち方をすることでキム・ヨングォンを誘う。さらにほんの一瞬ではあるが、縦にスピードアップするような所作を見せたことでキムに食い付かせ、その瞬間、ボールとキムの間に身体を入れながらターン。鎌田が前に出るまでの時間を創出した。
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大迫らしいワンプレー
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