更新日:2021年05月31日 17:47
カーライフ

ガンダムやエヴァみたいなシビックタイプRに感じたホンダの執念

エアロ武装が一周まわってカッコイイ

 私も最初は、「リオのカーニバルか!」と思いました。でも、時間が経てば経つほど、カッコよく見えてきた。こういうでっかい羽根やエアロで武装したカタチは、確かにガンダムなんだけど、ガンダムって今でも世界中で人気あるわけでしょ?  今はもうこういうコテコテのクルマを作るメーカーがなくなっちゃったから、時代遅れでダサいって言われるけど、この時代を超越した重武装が、一回転してすごくカッコよくないですか?  このシビックタイプRも、間もなく閉鎖されるイギリス工場製ということで、生産が終了される。国内ではすでに昨秋の段階で売り切れていて新車は買えず、新車に近い中古車は、新車価格プラス100万円前後で売られている。どっちにせよ手が届かなくなってしまった感はあるものの、遅ればせながら試乗させていただいて、心底驚きました。

500万アンダーで3000万円級の乗り味

「なんてすげえクルマなんだあ~~~~~~~~~っ!」
シビックR

2リッターガソリンターボエンジンは最高出力320馬力。6MTだがレブマッチシステムのおかげで、ヒール&トゥができなくてもエンジン回転数を自動でシンクロさせてくれる(要は下手くそでもクルマがそれっぽくしてくれる)

シビックRシビックR エンジンは超パワフルで超ビンビン。6速MTを駆使して首都高を走れば、青春時代が熱くよみがえる。しかも乗り心地がウルトラ猛烈よくなっていて、オッサンにもつらくないのが凄すぎる!  シビックタイプRと言えば、かつてはゴーモンと言われるほど乗り心地がガッチガチに硬かったモデルもあったが、昨年マイナーチェンジを受けた現行モデルは、路面の凹凸を完璧に吸収しつつ、意のままに曲がる。この超高級な足回りは現代のスーパーカーそのもの!お値段475万2000円で、3000万円級のクルマの乗り味を実現している!  なにをどう改良したかと言いますと、「アダプティブダンパーの制御変更(サンプリング周波数向上による緻密化)、フロントコンプライアンスブッシュの高減衰化、リアロワアームブッシュの高硬度化、フロントロワアームジョイントの熱処理によるフリクション低減」とのことです。なにがなんだかサッパリわかりませんが、とにかく凄いのです。  30年以上積み重ねてきた、ホンダのシビックに対する執念は、ついにここまで来た。ホンダの技術ってやっぱりスゲエ……。
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技術のホンダの集大成、シビックタイプR
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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