更新日:2021年05月31日 17:47
カーライフ

ガンダムやエヴァみたいなシビックタイプRに感じたホンダの執念

いつまでも絶えないでほしかったけど……

 かつてホンダと言えばカーマニアの話題の中心でした。カーマニア垂涎の個性的なスポーツカーがたくさんありました。  しかし時代は移り変わり、いろいろな規制に対応するため、ホンダに限らずスポーツカーの生産を続けるのが難しくなってきました。でも、いつの日かまた、カーマニアの話題の中心に、ホンダが返り咲くことを期待しています。
シビックR

ガンダムっつーか、これはエヴァンゲリオン初号機か? 首都高辰巳PAにいたら、ホンダ車(CR-Zなど)に乗っていた若者たちが「いつか欲しいなあ~」と話していたのが聞こえてきました!

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

さようなら!カーマニアが愛したホンダ。また逢う日まで

 もう30年近く前のことだけど、中古で「シビックSiRⅡ」というクルマを買った。まだレースへの未練があったので、「これでサーキットを走ろう」と思ったのです。  当時のホンダは、太陽のような存在だった。F1では連戦連勝、NSXは世界を震撼させた。そしてシビックは小型軽量ハイパワーで、筑波サーキットの耐久レースで無敵だった。なにをやっても「さすがホンダ!」と称賛されていた。  あれから約30年。今ホンダは、カーマニアの標的だ。F1からは4度目の撤退を発表し、S660は生産終了を発表⇒即完売、NSXは昨年国内でたった16台しか売れず、現在受注停止状態。  マニアが欲しくなるクルマが減る一方だし、どれもこれも値段が微妙に割高なので、ホンダを叩いておけば、SNSで「いいね!」がたくさん付いてしまう。  シビックも格好の標的になった。なにしろ今のシビックは、北米や中国に合わせて作っているから、ものすごくデカい。BMW3シリーズと同じくらいデカい。それだけでもう、「こんなのシビックじゃない」と、日本のカーマニアから叩かれまくった。  ホンダスピリッツの象徴のひとつ、FF最強最速マシンであるシビックタイプRに対しても、巨大なリヤウイングなど超ガンダムチックなルックスが、「デザイン崩壊」と批判された。
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エアロ武装が一周まわってカッコイイ
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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