更新日:2021年05月12日 19:04
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「天文学者の99%は地球外生命の存在を確信している」国立天文台教授が断言する理由

宇宙人の存在を示す最大の根拠。それは地球人が存在すること

 そして、第二の地球の発見が間近に迫るなか、移住と同様に、気になるのが宇宙人の存在だ。仮に地球と同じような環境の星があれば、地球と同じように生命が誕生している可能性は高い。また、本間氏は宇宙人の存在についてはほぼ確信しているという。 「私たち天文学者の99%は、宇宙に何らかの生命が存在することを確信しています。そして、文明を持つような高等生命の存在を信じる人も、私も含めて、少なくありません。こういうと、人によっては『え、科学者なのにオカルトを信じるのですか?』と驚かれてしまうのですが、天文学者はあくまで論理的に、宇宙人の存在を考えています」  では、そこほど多くの天文学者たちが宇宙人の存在を確証するのはなぜなのか。その最大の理由は、「私たち地球人の存在」だという。 「地球に生命が誕生して、人類まで進化して文明を持っている以上、この宇宙では一定条件が満たされれば生命や文明が誕生するのです。そして、これまでに天の川の中だけでも無数の惑星が存在することが示されています。これらの事実に従えば、地球以外には高等生命が存在しない、と考える方が不自然なのです」  また、太陽系自体は天の川のなかでもごく普通のありふれた存在だというのも、「宇宙人はいる」と考える論拠のひとつとなっている。 「太陽は、天の川の中に2000億個以上あると言われる恒星の中でもごく普通の星ですし、天の川の中でも特に特徴のない片田舎(中心部から2万5000光年離れている)に位置しています。また、天の川銀河自体も宇宙の中にありふれた銀河のひとつです。取り立てて特徴のない、ごく普通の太陽系で、私たちのような文明がうまれた。その視点から考えれば、どこかほかの惑星にも『生命がいる』、あるいは『宇宙人がいる』と考えるのはごく自然なことです」

近い将来、宇宙人のテレビ番組が見られる可能性も…

 そんななか、本間氏が現在宇宙人を探す手段として有力視しているのが、「電波で宇宙人を探す」という試みだ。 「系外惑星の探査や生命の痕跡の発見が期待される一方で、私たち天文学者が一歩踏み込んで狙おうとしているのは、電波で宇宙を見る望遠鏡・電波望遠鏡で宇宙の文明を探すというものです。なぜ、電波望遠鏡なのかとうと、仮にこの宇宙に文明を持つ知的生命体がいた場合、通信手段として電波を使用する可能性が高いからです。電波はエネルギーが低くて扱いやすく、情報を乗せて空間を飛ばすこともできます。  また、光と違って、ガスや塵にもさえぎられにくいので、通信する上で非常に便利な道具なのです。地球人はテレビやラジオ、携帯電話など様々な機器で電波を使っていますが、これはたまたま電波を使っているわけではなく、電波は一番使い勝手がよいと知っているからです」
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宇宙人が地球のテレビを観ている可能性
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宇宙の奇跡を科学する

宇宙の謎を“科学的に”ガッツリ解説!
写真や図入りなので、中高生・理科や数学が苦手な人にも読みやすい!

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