人間椅子・和嶋慎治「精神的に男が好きと気づいた」――半生を整理して見えてきたこと
初の自伝本『屈折くん』を出版したハードロックバンド人間椅子の和嶋慎治氏。本書では幼少期から青年期、デビュー、売れない時代から再ブレイクに至るまで赤裸々につづられているが、本編とは別に興味深い内容となったのが、和嶋氏のUFO体験である。その真相とは?
――和嶋さんは以前からオカルトやスピリチュアルに関する領域への関心を公言されていますが、本書でもUFOとの遭遇体験を書かれていますね。
和嶋:高校時代、深夜にUFOと遭遇したんです。僕は自室で読書をしていたのですが、外が異常なまでに明るい。窓を開けたら、すぐそこにアダムスキー型のUFOが黄金色の光を放って浮いていたんです。
――本書は現実的な内容が多いので、このくだりが少し浮いているようにも思ったんです。「えっ、いきなりUFOの話!?」と驚きまして。
和嶋:他のエピソードと比べて、明らかに異質です(笑)。共感できない読者もいるだろうなとは思ったのですが、僕にとっては重要な経験だったので盛り込みました。それ以降、はっきりと僕のつくる楽曲の作風も変わりましたから。
――記憶が2時間くらい飛んでいるそうですね。
和嶋:ええ、“空白の2時間”です。物理法則を無視して、UFOが僕の部屋に入ってきて、「あっ」と思ったきり、そこから2時間、記憶がないんです。気がついたら自室の隅に膝を抱えてうずくまっていて、全身が激しく震え、口からは大量の唾液を吐いていた。
―― ……なるほど。
和嶋:いや、なかなか信じがたいのはわかります。だけど、僕のなかでは本当なんです。寝ているときに悪夢を見て、ハッと目覚めて「あ、夢だったか」となるような感覚とは明らかに違う、明確な現実感と恐怖心が残っていました。とにかく身体がブルブルと震えてしまい、なかなか治まらなかったんです。そういえば、無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功して、書籍『奇跡のリンゴ』などで注目された青森の農家・木村秋則さんも、本のなかなどでUFOの目撃体験であるとか、宇宙人に拉致されたことを公言されていますよね。
――たしかに、そうですね。
和嶋:僕は木村さんと面識もないですし、本を通じて一方的にファンになっているだけですが、彼が言っていること、すごくよくわかるんですよ。木村さんも、無農薬リンゴの栽培に成功するまではまさに挫折の連続で、周囲からの理解も得られず孤立したりして、長い間、どん底の暮らしをしてきた。それでも、自分を信じて続けてきたわけです。僕の勝手な思い入れかもしれませんが、何だか僕と近い気がして、とても共感するんですよ。
――お二人のあいだにどこか似たにおいがあるのは、わかる気がします。
和嶋:「そんなこと、あり得ない」「現実的ではない」と否定するのは簡単ですが、ああいう経験をすると、他人の言うことを頭ごなしに否定することはできなくなる。おそらく木村さんも、そうじゃないかな。もちろん僕も、木村さんが語るUFO体験を事実だと信じています。あの、名状しがたいリアルな感じは、実際に味わったことのない人には理解できないかもですが……。
――その話をされて、周囲の方々はどういう反応をされていますか? たとえば、メンバーは?
和嶋:鈴木君(鈴木研一氏/人間椅子のベース・ボーカル)は「う~ん、本当かなぁ」とずっと言い続けています(笑)。客観的現象じゃないんだから、それはそうです。UFO体験って、いわゆる神秘体験や宗教的体験と同じで、極めて個人的な体験です。結局、体験した本人にしかわからない。
『屈折くん』 人間椅子の中心人物、和嶋慎治による初の自伝!! 幼少期からバンド結成、現在までを明かす!! |
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