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水風呂で「ととのう」のは自律神経だけじゃない。肥満の防止や健康長寿にも有効

企業グループオーナー兼作家である金森重樹氏が、2か月で90㎏から58㎏の減量に成功した経験をもとに出版した『ガチ速“脂”ダイエット』とその続編である『極上レシピ大全』のガチ速シリーズ。「運動ゼロ空腹ゼロでもみるみる痩せる」ダイエットメソッドを分かりやすく解説した。本連載では、そんな『ガチ速』シリーズには収めきれなかった話を紹介していく。

衣・食・住のすべてを見直す視点の重要性とは

金森式

金森重樹氏

 前回も言ったように、現代人が陥る体の不調の元凶の一つに、食生活があります。  昨今の風潮として痩せるために「糖質制限」をしてインスリンの分泌を抑えようとする人が後を絶ちません。ところがインスリンには「体脂肪を蓄える」働きのほかに、すでにある体脂肪の分解を妨害する働きもあります。インスリンが出ると体脂肪を分解するホルモン感受性リパーゼがうまく働かず、痩せないのです。  それと、糖質だけでなくタンパク質を日に何度も摂ることもダメ。インスリンが基礎分泌以外に追加分泌をしている状態を引き起こしてしまいます。  つまり僕の推奨する断糖高脂質食とは、「肉を食べて下さい」ではなく、インスリンが最も分泌されにくい「脂のみ」を食べ、体脂肪が分解するように「断糖」してくださいということなのです。  こうした食生活の見直しにおいては「旧石器時代から人類がどう進化してきたのか?」という視点で考え直すことが非常に有効。それこそが健康長寿にも繋がってきます。そして、旧石器時代の生活で参考にすべきなのは、何も「食」に限った話ではありません。衣食住すべてにおいてこの視点を取り入れることで、僕は2年以上たってもリバウンドせず、健康な体をキープできています。

旧石器時代には存在しなかった「靴」の弊害

 まず注目したいのが「衣」に関わる部分で、旧石器時代には存在しなかった「靴」の弊害です。これには、「裸足への回帰」を提唱するハーバード大の人類進化生物学教授、リーバーマン氏の名著『人体600万年史 科学が明かす進化・健康・疾病』が役立ちました。  人間の足裏は尖ったものや平らでないもの、熱を感じると神経を活性化させるようになっています。しかし靴や靴下はそうしたフィードバックを阻害してしまう。また、全身に約200個ある骨のうち、足には左右で56個もの骨が集中しており、中でも僕は足の甲のリスフラン関節をほぐすことに注目しています。  さすがに裸足で外出するわけにはいきませんが、強い味方を見つけました。「スキナーズ」というソックスタイプのベアフットシューズと、自作の「ワラーチ」です。 「スキナーズ」 チェコのスタートアップが開発したポータブルベアフット(裸足)シューズ。一見靴下のようだが、底面は耐摩耗性の特殊なポリマーでコーティングされているため薄くても強固なグリップ力と大地と一体化する素足感を実現
金森式

「スキナーズ」

「ワラーチ」 日常的に100㎞以上の長距離を走るメキシコの先住民・タラウマラ族が履いている「ワラチェ」というサンダルを模したものでトレイルランナーなどの間でブームとなっている。ビブラムソールとコードで自作すると良い
金森式

自作の「ワラーチ」

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ギア、サウナ、水風呂。肉体本来の機能を呼び戻せ
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