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この世のすべてを「あるあるネタ」に。狂気の芸人・ちくわを直撃

時事ネタが得意なわけではない

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ちくわの「あるあるネタ」動画。コメント欄には「わかる!」といった共感の声が溢れている

――配信時はつねに同じTシャツとジャージ姿ですが、何かこだわりがあるのでしょうか?  ちくわ:ラッパーの「鎮座DOPENESS」さんをリスペクトしているので、そのスタイルを一応、踏襲しています。あとは、単純に楽なので。少しでもストレスを感じると続けられないので、寝食と同等くらいのノリで採用できるものが大事かなと思っています。
海外に憧れてる奴あるある2

「海外に憧れてる奴あるある」より

――人物あるあるだけではなく、旬の事象を絨毯爆撃のように網羅しているのを見ると、よほど時事問題に関心があるのだと見受けられます。動画を作る上で、普段からチェックしていることはありますか?  ちくわ:最初は思いつきから始めたのですが、もっと見てもらうにはどうすれば良いかを考えたら、時事ネタに絡めたほうが伸びることに気がつきました。なので、私も相方も特に時事問題が得意なわけではなく、社会に対する主張も一切ないんです。ないからこそ、縦横無尽にネタにできているのだろうと思います。  ただ、アベマプライムはよく見ています。地上波ではできないような、「香ばしい」言い争いが頻繁に起きるので、そういう時にこそ人の面白みが見える。流行り物についても、必ずチェックしますね。

動画へのクレームに対しては?

――それらを動画に落とし込むにあたって、基準にしていることはありますか?  ちくわ:いつも相方と一緒に話し合って、何百個と出た「あるある」の中から絞っていくのですが、「文字にしたら面白いものは何か?」を基準にしています。たとえば「世界では戦争があるのに幸せな家族」は、字面の面白さを意識して作ったものです。  また、自分たちが心の底から面白いと感じているネタを選ぶようにしています。演じる上で少しでも恥ずかしさや照れを感じることない素材であることも、一応の指標です。  逆に、ボツにするのは文字だけでは説明しづらいものですね。ネタ自体は尽きることはないので、とにかく「どうやったら見てもらえるか」に重点を置いてます。
美術館あるある

「美術館あるある」より

――目の付け所が鋭すぎるので、笑いながらも見ていてヒヤヒヤすることがあります。ネタにした本人からクレームが来るのではないかとも心配です。  ちくわ:動物愛護団体を名乗る人からは、クレームがありましたね。ベジタリアンからも「誤解を受けるからやめてくれ」と言われました。ただ、自分はあくまで「そこにありがちな人」を演じているので、そのジャンル全体をバカにするつもりはないんですよ。コメント欄で肯定派と否定派が喧嘩しているのも見かけます。みんなが好きな食べ物はないように、私の動画を嫌う人がいてもそれは仕方ないと思います。なので、特に気になることはないです。   「アクセルとブレーキを踏み間違えるじじい」などについては、作った時点では特定の誰かを想定していなかったのですが、視聴者に言われて気づきました。たまたま現実とタイミングがハマってしまうこともあるみたいです(笑)。
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子供時代は絵に描いたような陰キャ
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