平均57歳のおじさん社員3人組がTikTokに挑戦。“バズ”で実感したSNSの絶大な効果
若年層に爆発的な人気を誇るSNS「TikTok」。歌ってみた、踊ってみた、真似してみた……などのおもしろ動画が数多く投稿され、もはや新しいエンタメとして確立されてきていると言える。
最近では、企業が自社のアカウントを作成し、ブランディングや採用活動の一環として運用する事例も増えている。
まず、TikTokを始めた経緯について小杉さんに伺うと「三陽工業では『やったことがないことをやってみよう』という精神を持っていて、挑戦してみたかったから」だと話す。
「未来の予測が難しく、先行きが不透明な時代において、常に新しいことへ挑み、飛び込んでいく。こういった気概を持っていたんです。製造業の若者離れが叫ばれるなか、若者に親和性のあるTikTokを始めれば興味を持ってもらえるのではと思い、まずはやってみようと考えたんですよ。
もちろん、どのくらい反響があるかもわからないし、うまく使いこなせるかも未知数でしたが、一歩踏み出さないことには何も起こらない。とにかくチャレンジする気持ちで、最初は取り組みました」
こうして、TikTokを始めることに名乗りを上げた小杉さん。業務や出張の関係で投稿ができない場合も想定し、広報チームがもう2名をサポートメンバーとして選出。三陽工業の高齢トリオ「おじさんTikTok」が爆誕することになったのだ。
だが、企業のSNS運用は根気と継続が重要となる。もちろん、遊び心を持って取り組むことも必要だが、成果として現れなければモチベーションを保つことは難しくなるだろう。
その点、小杉さんはTikTokの運用でどのようなことを心がけているのか。
「広報がTikTokに投稿するアイデア出しやサポートをしてくれるので、おじさんTikTokとして毎日発信するというのが、一番の決め事になっています。
また、TikTokの配信で意識しているのは緊張感を持つこと。実はTikTokをやるときって、未だに恥ずかしいんですよ(笑)。でも、照れを持っていた方が楽しくできるし、明るく愉快な気持ちでやった方が、画面越しで見るユーザーさんにも伝わると思うんです」
そんななか、ターニングポイントとなったのは2021年2月に運用を開始しておよそ1ヶ月後に訪れた。毎日コツコツと投稿を続けてきたなかの、ひとつのコンテンツが“バズった”のだ。
そんななか、兵庫県明石市に本社を置く三陽工業のTikTokは、平均年齢57歳の3人組男性社員「おじさんTikTok」が動画を投稿し、若年層の採用に成功しているという。 若者世代が使いこなすTikTokに、なぜ“おじさん”が果敢に挑むのだろうか。「おじさんTikTok」に出演する三陽工業株式会社 取締役人材戦略部長の小杉義明さんへTikTokをやり始めた理由や今後の目標について話を聞いた。@sanyoukougyou #流行りのやつ やってみましたなかなか難しい!本日はお昼休み12時からライブ配信を行います!ぜひ一緒にお昼休みを過ごしましょう#三陽工業 #fypシ #xpyzbca #funnyvideos #dance #おじキュン ♬ Wolfgang Dance – Tik Toker
まずはチャレンジする気持ちでTikTokを始めた
運用開始から1ヶ月後に投稿した「泡まみれ」の動画がバズる
「ペットボトルを使った、ちょっとした“いたずら”で、自分の顔が泡だらけになった動画がかなりの反響だったんです。その日のうちに7万~8万再生、翌日には100万再生回数を突破し、TikTokのバズを初めて経験しました。これがきっかけで社内だけでなく、社外の方や新卒の候補者の方からも『TikTokを見ている』と言われるようになったんです」@sanyoukougyou #ボトルキャップチャレンジ ならぬ#ペットボトル で#いたずら #Everyone give it a try #happyset #ハッピーセット #おもしろ動画 #ペットボトルチャレンジ #fpy #xyzbca #funnyvideos #三陽工業 #おじキュン ♬ Bluma to Lunch – BLOOM VASE
1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている
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