仕事

「あの時ああしていれば」後悔をモチベーションに変える方法

いまの仕事楽しい?……ビジネスだけで成功しても不満が残る。自己啓発を延々と学ぶだけでは現実が変わらない。自分も満足して他人にも喜ばれる仕事をつくる「魂が燃えるメモ」とは何か? そのヒントをつづる連載第267回  こんにちは、佐々木です。今回は「仕事のモチベーション」について話します。 病院 私が相談を受けたある男性はリハビリセンターで作業療法士として働いていました。そのセンターで働く中で、相談者はある「記憶に残る患者」と出会ったと言います。  その患者は脳梗塞で半身不随になり、リハビリに通っていました。相談者はリハビリの一環として身体に補助具をつける提案をしましたが、患者はそれを嫌がりました。その結果、「つけた方がいい」「つけたくない」の押し問答になりました。  結局、患者は相談者が勤めるリハビリセンターを途中でやめて、他のリハビリセンターに通うようになりました。この時、相談者は自分の接し方を強く後悔したと言います。「自分が正しいと考えているリハビリ法を、ただ相手に押しつけていただけだった」と気づいたからです。  患者はもともとタクシードライバーをしていました。後になって振り返ってみると、リハビリ中に「早く仕事に復帰したい」とよく口にしていたと言います。しかし、相談者はその相手の気持ちを受け止めず、ただ「こうすればいい」「こうするべきだ」と自分の考えに固執していたのです。  相手との接し方が違っていれば、結果も違っていたかもしれない。そう考えた相談者は、「もっと相手に寄り添って働こう」という心構えを持ちました。

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 その結果、わずかな時間でも相手の話を聞き、相手の気持ちを受け止めるようになりました。すると、ただリハビリのことだけを考えていた頃よりも、治療効果を実感できるようになったと言います。話を聞いてもらえることで、患者のリハビリに対する意欲が増したからです。  自分のやり方が違っていれば、結果も違っていたかもしれない。心残りを感じた相手を意識すると、「次はもっとうまくやろう」という心構えが生まれます。このように働くためのモチベーションは、自分の仕事相手との人間関係から生まれます。  自分の仕事がうまくいって、「あなたのおかげで助かった」と相手に感謝される。その結果、「こういう人のために働こう」と考えるようになる。あるいはこの相談者のように自分の仕事がうまくいかず、相手のことが心残りなる。その結果、「次はもっとうまくやろう」と考えるようになる。こうした体験は働き始めた若い頃によく起こります。  そうした印象深い相手を意識すると、その時に掲げた心構えを思い出すことができます。それが「初心にかえる」ということです。この「初心にかえること」はモチベーションを維持する上で大切なポイントになります。
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後悔を次に活かす
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コーチャー。自己啓発とビジネスを結びつける階層性コーチングを提唱。カイロプラクティック治療院のオーナー、中古車販売店の専務、障害者スポーツ「ボッチャ」の事務局長、心臓外科の部長など、さまざまな業種にクライアントを持つ。現在はコーチング業の傍ら、オンラインサロンを運営中。ブログ「星を辿る」。著書『人生を変えるマインドレコーディング』(扶桑社)が発売中

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