73歳の江夏豊が語る“刀根山マンション籠城事件”の真相「野村が解任される理由はなかった」
終わりを告げた“南海の野村”
途中、気遣いからか言葉を濁したが、最後はビシッと断言をした。ときとして男は、自分の身を犠牲にしてでも信頼を置く人物についていかねばならない時がある。江夏の目がそう語っているように感じられた。時代錯誤だと言う人がいようとも、激動の野球人生を生きてきた江夏にとって、男の世界では仁義を切ることが絶対なのだ。
前代未聞の野村解任騒動はメディアを賑わし、「野村巨人入り」、「江夏引退」と根拠のない情報だけが錯綜した。そして10月5日、長い沈黙を破って野村が記者会見を開くこととなった。
「俺が会場もすべてセッティングした。これまでの経緯を話すのかと思ったら、第一声が『(野村の前任である)鶴岡元老に吹っ飛ばされた』。それを言ったらもう終わり」
江夏が釈明の場を設けたのに、野村は「鶴岡元老に吹っ飛ばされた」と自らを吹っ飛ばす発言をしたことで、“南海の野村”は文字どおり終わりを告げた。
レッテルを貼られた男から“優勝請負人”へ
1968年生まれ。岐阜県出身。琉球大学卒。出版社勤務を経て2009年8月より沖縄在住。最新刊は『92歳、広岡達朗の正体』。著書に『確執と信念 スジを通した男たち』(扶桑社)、『第二の人生で勝ち組になる 前職:プロ野球選手』(KADOKAWA)、『まかちょーけ 興南 甲子園優勝春夏連覇のその後』、『偏差値70の甲子園 ―僕たちは文武両道で東大を目指す―』、映画化にもなった『沖縄を変えた男 栽弘義 ―高校野球に捧げた生涯』、『偏差値70からの甲子園 ―僕たちは野球も学業も頂点を目指す―』、(ともに集英社文庫)、『善と悪 江夏豊ラストメッセージ』、『最後の黄金世代 遠藤保仁』、『史上最速の甲子園 創志学園野球部の奇跡』『沖縄のおさんぽ』(ともにKADOKAWA)、『マウンドに散った天才投手』(講談社+α文庫)、『永遠の一球 ―甲子園優勝投手のその後―』(河出書房新社)などがある。
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