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パチンコ客の“ながら遊技”にソシャゲが目をつけた。業界初コラボの内容とは

ソシャゲがパチンコ店に注目する理由は

 当のあんこ自身は、「スマホゲームとのコラボというのはパチンコ業界のスタッフとしては初めてのことで、話を聞いた時、ぜひチャレンジしたいと思いました。親善大使になったので、一人でも多くのフォロワーの方にメモリンを楽しんでもらいたいし、またメモリンファンの方たちには、少しでもパチンコの楽しさを知ってもらいたいです」と、今回のコラボ企画を素直に喜んでいる。  彼女の上司であるS店長も、彼女自身がチャレンジしたいと言っているし、これが彼女の成長のきっかけの一つになるのなら、全力で応援しますと目を細める。  スマホゲーム全盛の時代である。毎月いくつものタイトルがリリースされ、同じくらいのタイトルがサービスを停止する。運営は、一人でも多くの新規ユーザーを獲得するため有名版権やキャラクターとのコラボ企画を実施する。しかしいくつかの超有名ゲームをのぞいては、有名版権との大型コラボ企画を連発出来る訳では無い。  その中でソシャゲ側が目を付けたのが、パチンコ店のユーザー達である。  ここ数年、パチンコ店に訪れる若者たちを見ると、そのほとんどがパチンコやパチスロの遊技をしながらスマホで別のことをしている。スマホゲームであったり、YouTubeの視聴であったりだ。  当初はそのような若者たちの姿に眉をひそめていた業界関係者たちも、いつしかそのような行為を、「スマホを見ながら」という意味で「ながら遊技」と呼び、より快適な「ながら環境」を用意し始めた。このような若いユーザー達のスマホ文化にソシャゲ側は目を付けた。

ソシャゲとパチンコを同時プレイする人が主流に

 パチンコ店のアイドル店員をスマホゲームのゲートウェイにし、「ながら遊技」でスマホゲームを遊んでもらい、ユーザーがパチンコ・パチスロ遊技で勝てば、気持ち良く課金してもらう。今回のあんことメモリンのコラボは、それ自体の価値というよりは、今後の新たなビジネスモデルの構築を目的とした実験としての価値が高い。  もし今回のコラボでメモリン運営が想定する新規ユーザー獲得目標数が達成されれば、今後はより人気のあるゲームでのコラボが企画されるはずだ。  パチンコ店側にもソシャゲ側にも、オフライン・オンラインのそれぞれユーザーの相互交流を図り、新規ユーザーとして取り込みたい思惑がある。  さて今回のあんことメモリンのコラボが、新たなビジネスモデルを生み出すのか。  それともやっぱり「サービス停止」となるのか……。 <取材・文/安達夕>
フリーライター twitter:@yuu_adachi
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