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GoToトラベルは復活するか?キーワードは中小の旅行代理店、平日、東北

平日と東北方面がお得になる!?

 今回、GoToトラベルの再開にあたり、所轄官庁の観光庁に取材を試みた。担当者の話を総合すると、「開始時期と内容は全くの未定である」と回答があった。政府の方針が決まらないと開始できないものであり、想定内である。それでも、再開にあたって施策変更のヒントになる内容を聞くことができた。  それは、閣議決定され2020年12月8日に発出された「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」の書面だ。今年6月末までの想定として書かれているが、その後同様の決定がないので、今でもこの内容が最新とみていい。各分野での経済対策が盛り込まれた中で、観光分野をみてみると、昨年のGoToトラベルに加えて次のキーワードが盛り込まれることがわかる。  それは、観光施策の実施に当たり、 1.平日への旅行需要の分散化策を講じる。 2.中小観光事業者へ配慮する。 3.被災地の観光事業者へ配慮する。  と明示している。  これを素直にくみ取れば、週末よりも平日の割引率、中小観光事業者の割引率、被災地向けの商品の割引率がそれぞれ大きくなる可能性があるということだ。

商品を造成する旅行会社に聞いた

 実際に商品を作る旅行会社に話を聞いてみた。WEBでの旅行商品販売に強いオンライントラベルエージェント(OTA)として業績を伸ばす株式会社エアトリの取締役COOの王伸(おうしん)氏に聞いた。 昨年のGoToトラベル事業について伺いますが、どの程度効果がありましたか。 「コロナ禍前比較では、GoToトラベル施策があっても半分以下の業績ですが、コロナ後の施策前と後とでは、5倍の売り上げがありました。旅行業界にとっては、救世主となるものだと思っています」 今年のGoToトラベルの開始状況の予測はどのように見ていますか。 「現在、GoToトラベル事務局や観光庁から通達はありません。当社独自の予測では、早ければ12月。このままでいけば年末年始の繁忙期を避けた1月下旬位のスタートになるのではなないかと考えています。通達さえ出れば、1~2週間で販売開始できる社内体制を構築しています」
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再開後のGoToトラベルは内容も変わる!?
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航空会社勤務歴を活かし、雑誌やWEBメディアで航空や旅に関する連載コラムを執筆する航空ジャーナリスト。YouTube チャンネル「そらオヤジ組」のほか、ブログ「Avian Wing」も更新中。大阪府出身で航空ジャーナリスト協会に所属する。Facebook avian.wing instagram@kitajimaavianwing

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