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なぜ値上げラッシュが続いているのか? パンやカップ麺に「うまい棒」までも

―[今週の顔]―

値上げラッシュ、脱炭素により原油は高止まりで日本は第3次オイルショックに?

価格高騰

食用油の原料となる大豆、菜種の取引価格も高止まり。「価格高騰は急激なものではなく、真綿で首を絞めるようにじわじわと値を上げていくでしょう」(鈴木氏) 写真/産経新聞社

 小麦の高騰で年明けからパンやパスタなどが軒並み値上げされたが、2月に入ってからもその勢いが止まらない。マヨネーズや冷凍食品、カップラーメンなど食品だけにとどまらず、22日からはスポーツ動画配信サービスDAZNも月額1925円から3000円へと料金の大幅改定に踏み切ると発表。  4月からは、40年以上変わらずに「税別10円」で販売していた庶民の味方・「うまい棒」も1本12円に上がるというが……なぜ、ここにきて値上げラッシュが続いているのか? 経営コンサルタントの鈴木貴博氏は「要因はモノ不足・原油高・円安」と分析する。 「世界経済がようやく再開したものの、製品や農作物が消費者のもとへ届くには数か月から1年を要する。さらに中国が主要穀物を買いだめしており、その量は世界の在庫の半分に及ぶ。昨年から続く食肉高騰も中国の爆食が原因。日本は中国に勝てなくなりつつある。今年に入って、国内のファストフード店からフライドポテトが消えたのも、中国が運搬用のコンテナ船を高いチャーター料を払って囲い込んだため日本に入ってこなくなったのです」

原油高は長引くと予想

 モノ不足は徐々に生産が拡大されれば、解消されるだろう。しかし、原油高は長引くことが予想される。 「近年、世界的な動きとなっている脱炭素の潮流は産油国にとっては好ましくない。先進国が原油を欲しているいまのうちに、減産して価格を釣り上げ、儲けられるうちに儲けようという思惑が働いている。現状、価格が下がる要因はないため、’20年代を通して、原油高が続いても何ら不思議ではない」
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円安だけで1割も値上がり
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