更新日:2022年04月09日 18:31
エンタメ

平均57歳のおじさん社員3人組がTikTokに挑戦。“バズ”で実感したSNSの絶大な効果

広報と密に連携し、試行錯誤しながら取り組んでいる

 こうしたバズ動画は、そう何度も生まれるわけではないが、小杉さん曰く「月に1回くらいあるかないか」だという。  広報がさまざまな材料を集め、企画を練り、そしておじさんTikTokのメンバーに気持ちよく動画撮影に挑んでもらう。  このような良い循環ができているからこそ、おじさんTikTokのフォロワーが増え、話題化につながったのではないだろうか。
@sanyoukougyou #三陽工業 本社の周りに恐竜が逃げろー!笑 小杉さん演技力たかいです!#ダイナソー #dinosaur #おじキュン #おじいちゃん #effect ♬ original sound – MING
「三陽工業の周りは何もないので、TikTokのエフェクトを使って恐竜を出現させたり、SNSで話題のダンスを真似てみたりと、本当に創意工夫しながらやっていますね。  毎回、お昼休みの合間にTikTokの撮影を実施し、その後広報の方で編集を行って、だいたい15時くらいに投稿をするんですが、今では日々のルーティンとして確立するほどに根付いています。ただ、実を言うと気づいたらフォロワーが増えていたような感覚で、あまり実感のないまま、これまでやってきた印象を抱いています」

TikTokを始めたことで、人材採用にもプラスの効果が

ライブ配信

ライブ配信で求人の問合せに対応する小杉さん

 三陽工業のおじさんTikTokは、企業の知名度向上のみならず、採用ツールとしても機能しているという。  同社がTikTokの運用を始めた2021年2月ごろは、まだ企業アカウント自体が少なく、さらにその中でも“おじさん”がTikTokをやるのは異質の部類に入っていた。  そのため、比較的バズりやすく、多くのユーザーの目に留まりやすかったそうだ。こうした状況が追い風となり、おじさんTikTokは瞬く間に注目を集めるアカウントへ成長した。  さらに、おじさんTikTokをきっかけに三陽工業の求人にも興味を持つ人も増えていった。  三陽工業は全国に営業所を構えているが、特に中途採用において20代の面接志望者が「TikTokをやっている会社で、面白そうだと思って応募した」と述べるケースが顕著になったという。  また、面接者の約6割が「おじさんTikTokを見たことがある」と口にするなど、まさにTikTokの波及効果を感じさせるものとなったわけだ。 「ものづくり大国と言われる日本ですが、それを支える製造業に至っては高齢化が進んでいます。未来の製造業を担い、業界の発展につなげていくためにも、若い世代の人材確保が肝になると捉えています。TikTokをきっかけに、我々のような製造業に興味を持っていただいたことは非常に嬉しいですし、期待に応えられるようにしたいなと感じています」
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1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、旅行、イベント、カルチャーなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている

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