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ウクライナでの事変は対岸の火事ではない。最後の猶予期間だ/倉山満

ウクライナが安全保障のため指名した国々から外れた日本

 停戦交渉においてウクライナは、NATO加盟を諦める代わりに、ウクライナが指名する国々がウクライナの安全を保障する体制を求めた。  ウクライナが指名する国々とは、まず国連安保理常任理事国の米英仏中露。大国なので当然だ。ついで、独伊加のサミット参加国。準大国扱いだ。そしてトルコとポーランドの周辺の関係国。さらにイスラエル。  ?‌??  確かにイスラエルはインテリジェンス大国でロシアとの関係も深い。  しかし、日本はどこに?

防衛費はGDP2%を最低ラインに

 岸田文雄首相が率いる日本政府は、米英側についてウクライナを支援、ロシアを制裁する側に回るとの一般方向としては正しいが、毅然とした態度はとってこなかった。たとえば、ゼレンスキー大統領から日本の議会でのオンライン演説を求められて、最終的に実現したが、最初は「先例がなく機材の手配があるので慎重に検討する」などと愚かな返答をした。呆れられて当然だろう。  一部には、防衛省自衛隊がツイッターで戦況を広報するなど、行政問題をとりあげて誉めそやす向きもある。しかし政治は全体の結果だ。  防衛費は最低でもGDP2%!  政府与党に対し、引きこもりを甘やかすダメ親のような態度を採るべきではない。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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