更新日:2022年05月20日 19:08
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「ギターソロ不要論」は繰り返されてきた。花形楽器ゆえの苦悩とは

若者の“ギターソロ離れ”は本当か?

ギターソロ

写真はイメージです

 若者の“ギターソロ離れ”は本当か? サブスクで音楽を聞く世代は、曲中のギターソロを飛ばしているらしいのです。16日放送の『スッキリ』(日本テレビ)が特集し、話題になっています。 『スッキリ』が100人に調査したところ、イントロのギターソロを飛ばすと答えた人が14%、間奏のギターソロをスキップすると答えた人が18%。合わせると、3割もの人がギターソロを聞かないという結果になりました。  “そんなに飛ばして聞いているのか” “まだまだギターソロ粘ってるな”   皆さんの感想はどちらでしょう。

ネット上で一大論争に

   ことの始まりは、アメリカ「ニューヨーク・タイムズ」紙の記事。今年のグラミー賞、ロック部門のノミネート曲の多くには、ギターソロがないと報じられました。これに、ミュージシャンで京都精華大学特任教授の高野寛氏が「ギターソロが始まるとスキップする若者多いみたい」とツイートし、ネット上で一大論争となったのです。    Z世代にとって、いまやドラマや映画も1.5倍速が当たり前。となれば、音楽だって退屈なパートを飛ばしてしまうのも、やむを得ないのかもしれません。ギターソロに限らず、いまどきのヒット曲はイントロも短縮傾向。おまけに全てのパートがサビになるほどキャッチー。  飽きさせないための刺激に満ちた音楽の中では、ギターソロが邪魔だと感じる人もいるということなのでしょう。    こうして、世代間ギャップの象徴として注目を集めてしまったギターソロ。  「SEKAI NO OWARI」のボーカル、Fukaseの「今時、まだギター使ってんの?」という2014年のツイートからも、ギターを過去の遺物にする態度が主流なのではないか。そして今や、特に“ダサい”ものとして敬遠されているのではないか。  ギターを愛する音楽ファンの心中は穏やかではないはずです。
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ギターソロ不要論は繰り返されてきた
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音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

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