グラミー賞で3部門受賞“リゾ”って何者? 体型批判をポジティブに圧倒
1月27日に開催された第62回グラミー賞において、最多8部門でノミネート、そして最優秀ポップ・パフォーマンス(ソロ)、最優秀トラディショナルR&Bパフォーマンス、最優秀アーバン・コンテンポラリー・アルバムの3部門を受賞したアーティスト・リゾ。大胆かつ圧倒的なパフォーマンスと、ふと見せるチャーミングな表情はインパクト抜群で、世界を席巻中の歌姫だ。
デトロイト生まれ、ヒューストン育ちのリゾは、現在31歳。アーティストとしては、比較的遅咲きの部類に入るだろう。
2015年にリリースされたセカンドアルバム『Big Grrrl Small World』が業界内で高い評価を得たことで、売れっ子名音楽プロデューサーのリッキー・リードの目に留まり、2016年には彼プロデュースで初のEP『Coconut Oil』を発表する。収録曲の『Good As Hell』と『Truth Hurts』は大ヒットとなり、『Good As Hell』はYoutubeで6000万回以上再生され、『Truth Hurts』はビルボード・ソング・チャート“Hot 100”で7週間連続1位という、女性ラッパーの最高記録を達成した。
また、2018年に発表したシングル『Boys』では、容姿やジェンダーについて綴った歌詞が話題に。MVでの大胆なヌード姿と相まって大きな注目を集め、雑誌『TIME』の「2018年ベスト10ソング」、音楽メディア「ピッチフォーク」の「2018年ベスト100ソング」に選ばれるなど、一躍脚光を浴びることとなった。
グラミー賞は、最も優れたレコードアーティストを表彰する世界最高峰の音楽賞として知られており、8部門にノミネートされたことは快挙だと言えるだろう。また、同じく時代を代表するアーティストとの呼び声高いビリー・アイリッシュと並んで、授賞式で歌を披露するパフォーマンス・アーティストにも選ばれている。 切れ味鋭いラップ、ゴスペルを彷彿とさせる声の濃厚さ、それらを包み込むポップでスーパーポジティブな曲調とパフォーマンスと同時に、そのスタイルとファッションでも彼女は注目されている。今回は、そんな新時代のスーパースターの魅力に迫りたい。
苦節15年以上。時代が求めた“遅咲きの歌姫”の軌跡
幼少期を過ごしたデトロイトの街で何度も教会に通い、ゴスペル音楽の豊かさに触れていたというリゾ。そのため、10歳でヒューストンに引っ越すまでは、ヒューストン出身の大スターであるビヨンセやデスティニーズ・チャイルドを含め、いわゆる「世俗音楽」を聞いたことがなかったそうだ。 その後、音楽活動を始めたリゾは、ガールズトリオ「ザ・チャリス」を結成する傍でソロ活動にも力を入れ、2013年にファーストアルバム『Lizzobangers』をリリース。2014年9月に世界的アーティスト・プリンスに声をかけられ、アルバム『PlectrumElectrum』に参加した。これが発表されるとたちまち大きな話題を呼び、翌月には初めてのテレビ番組出演を果たした。
容姿やジェンダーに対する歌詞に共感する女性が急増
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