つづく80年代。大量のヒット曲が生まれたシンセサイザー全盛の時代も、ふたたびギター不要論が持ち上がりました。でも実際はどうだったかというと、シンセポップと同じぐらいハードロックやヘヴィメタルが売れた時代でもあったのです。ヴァン・ヘイレンやボン・ジョヴィなどが次々とビッグセールスを記録。
「Jump」や「Livin’ On A Prayer」といった誰もが知っているヒット曲にも、当然ギターソロがあります。テキサスのブギーバンド、ZZトップもシンセサイザーを駆使しつつ、「Legs」や「Gimme All Your Lovin’」などの骨太なギターロックでチャートを席巻しました。
そして、このあたりから日本でもギターソロのあるシングル曲がヒットしだします。そのパイオニアが、BOØWY。1987年リリースの「MARIONETTE」は、布袋寅泰のギターを大々的にフィーチャーし、鮮烈な印象を与えました。
ハードロックが下火になった90年代も“ギターソロ不要論”が巻き起こりましたが、異なるジャンルで生き残っています。ブリットポップの雄、オアシスの「Don’t Look Back In Anger」に、グランジロックの立役者、ニルヴァーナの「Smells Like Teen Spirit」。形は変わっても、きちんと間奏のソロは残っていますね。
邦楽シーンでは、なんと言ってもB’z。ミリオンヒット15曲中、すべてにギターソロがある! 特に「Love Phantom」は、稲葉浩志のボーカルと同じくらい松本孝弘のギターが歌いまくる、忘れがたい一曲です。