仕事

「謝罪できない無礼なおじさん」に共通する“男らしさの呪い”とは

無礼な人の存在が生産性を下げる

 次に白河氏は「『ThinkCIVILITY「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』(東洋経済新報社)に記された調査結果を見ると、無礼な人が職場に与えるデメリットはとても深刻です」と説明する。 「同書によると、同僚から無礼な態度を取られた人は、『仕事にかける労力を意図的に減らす』(48%)、『無礼な態度を気に病んでしまい、仕事に使うべき時間を奪われている』(80%)、『自分の業績は低下している』(66%)と回答しています。無礼な態度は周囲の人間にネガティブな影響を与えるだけでなく、会社の利益や生産性を低下させかねない。無礼な人を『あの人はああいう人だから』と楽観的にスルーするだけではリスクがあります」

良い言動はちゃんと褒める

 無礼な人と接する時、どういったことに気をつけるべきなのか。白河氏は「極力関わらないほうが良いですよね」と語る。 「ただ、関わらないように努力することも、結局は“無償ケア”同様にコストがかかります。ひどい場合は上司やハラスメント対応の窓口に相談することも考えてほしいです。  先述した通り、無礼な人がもたらす悪影響は甚大です。加えて、無礼は伝染するため、メンタルヘルスの不調はもちろん、利益を下げるリスクもあり、無礼な人には会社がしっかり対処しなければいけません。  例えば、無礼な人は自分自身の無礼さに無自覚なため、周囲から、指導方法や立振舞いをフィードバックできる習慣の定着。また、態度を咎めるばかりではなく、『良い言動はちゃんと褒める』ということも効果的。褒められれば気分も前向きになり、無礼な態度を抑えるメリットが実感できる。むしろ無礼な態度でいるほうが浮いてしまう、という空気感を醸成できます」
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フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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