更新日:2022年07月09日 18:16
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相次ぐ食料品の物価上昇問題。政府のインフレ対策は大丈夫なのか

相次ぐ食料品の物価上昇

インフレイメージ

写真はイメージ

 2022年に入ってSNS上では食料品の物価上昇に驚愕する声が相次いでいる。実際、各食品メーカーでは商品の値上げが発表されており、今後安定した生活を送れるのか心配だ。とは言え、なぜ急にインフレが深刻化したのだろうか。  インフレが続いている原因、そしていま日本に必要な政策について、『「現金給付」の経済学 反緊縮で日本はよみがえる』(NHK出版新書)の著者で、駒澤大学経済学部准教授の井上智洋氏に話を聞いた。

日本で顕著なステルス値上げ

 まず、食料品値上げの原因について「コロナ危機や戦争、円安による穀物、燃料費などの値上がりです。燃料費が上がると農作物の栽培に掛かる費用や輸送費も増大します」と答え、「2020年以前は目立った値上げは少なかったですが、スナック菓子などの容量が減る“ステルス値上げ”は以前から起きていました」と様々な要因から一気に顕在化したという。 「ステルス値上げはアメリカでも起きていて、英語では“シュリンクフレーション”と言います。これはシュリンク(内容量を縮小する)とインフレーションという2つの言葉から作られた造語です。ただ、日本は安易に商品の値上げがしにくい経済構造になっているため、ステルス値上げが世界的に見ても顕著に起きていました」 “値上げがしにくい経済構造”というのは、「長らくデフレが続いていて給料も増えなかったので、物価が上がることに対する抵抗感が消費者の間で強まっていたことが影響しています」と続けた。
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減税や現金給付は必須
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フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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