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いまの日本を支配する「岸田総理さえ逆らえない同調圧力」/倉山満

デフレ脱却が終わってないのに増税など、正気の沙汰ではない

 岸田文雄首相は、支持率を見て政治をしているのか。それは必ずしも悪いとは言わない。
日本維新の会の猪瀬直樹氏 写真/産経新聞社

マスクを外して質疑を行い、委員長より注意を受けた日本維新の会の猪瀬直樹氏。「今、外国人から日本が何て言われているかと言うと、令和のちょんまげ、顔パンツっていうふうなことを言われている」と岸田文雄首相に呼びかけた 写真/産経新聞社

 さんざん「財務省傀儡」「選挙が終われば、すぐに増税」「日銀人事も官僚の言いなり」「金融緩和だってやめるのでは」と言われ続けたが、今のところ岸田政権にその兆候はない。いくら親戚が財務省だらけと言っても、デフレ脱却が終わってないのに増税など、正気の沙汰ではない。日銀官僚の言いなりになって早すぎる金融引き締めをして景気を悪化させたら、目も当てられない。  安倍晋三内閣は、「日銀が金融緩和をする→株価が上がる→支持率が上がる→選挙に勝てる→誰も引きずり降ろせない」の無敵の方程式で、最長政権を築いた。岸田内閣も、その遺産で生きている。逆に麻生太郎内閣は、「日銀が金融緩和をしない→株価が下がる→支持率が下がる→選挙に勝てない→誰からも石を投げられて政権失陥」と地獄のような末路を辿った。最後は「鳩山民主党でもいいから麻生自民はイヤ!」と鳩山由紀夫内閣の誕生を許した。もっとも、その民主党内閣も経済政策を間違え続け、すぐに国民に愛想を尽かされて短命に終わった。

日本のマスク生活は惰性と同調圧力に岸田首相が逆らえないだけ

 岸田首相は、自民党総裁選・衆議院選挙・参議院選挙とすべての選挙に勝った。3年間は支持率を気にせずに政治を行える環境にある。ならば、せっかくの景気回復を着実にして、国民の心を掴んで思うがままに政治を行えばよい。ようやく、「国葬」が片付いたかのようだが、いまだに「統一」に振り回されている。これら、国政の最重要課題だろうか。景気が絶好調ならば誰も相手にしないはずだ。しかし、岸田首相は強い意志で人心を掴む気が無いらしい。  10月20日の国会質疑で、日本維新の会の猪瀬直樹参議院議員から「こんなものは顔パンツではないか!」「なぜマスクをしなければならないのか」と質された。これに対する岸田首相の答えは、何を言っているのかわからなかった。そらあ、そうだろう。初動の段階ならばともかく、コロナ禍から3年、いつまで自粛生活、マスク生活を続けねばならないのか。他の国がやめているのに、日本が続けなければならない理由は何なのか。惰性と同調圧力に岸田首相が逆らえないだけではないか。
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マスクなど、口オムツだ
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