更新日:2022年07月13日 13:34
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野党は岸田首相に「黄金の三年間」を献上した/倉山満の政局速報

 7月10日に投票が行われた第26回参議院選挙。日本近現代史の専門家である憲政史家・倉山満氏は「立憲民主党は野党第一党の座を死守するのが目的ならば、いっそのこと解党するのが、国家国民の為だろう」と語る。しかし、解党する体力すら残っていない立民。残された道はあるのだろうかーー(以下、倉山満氏による寄稿)。
立憲民主党代表の泉健太氏

立憲民主党代表の泉健太氏 画像/立憲民主党(@CDP2017)公式Twitterより

野党は岸田首相に「黄金の三年間」を献上した

 日本の政治は参議院で決まる。野党は岸田首相に「黄金の三年間」を献上した。  これを理解していない政治家、政党が多すぎるのではないか。  平成の総理大臣のほとんどは、参議院で多数を得られずに退陣に追い込まれた。第二次安倍政権が長期政権となる前は、第一次安倍・福田・麻生・鳩山・菅・野田と六代の内閣が続けて、参議院が原因で退陣に追いやられた。参議院で多数を持たないために、一年ごとに総理大臣が交代した。逆に、長期政権を築いた佐藤栄作や闇将軍として君臨した田中角栄・竹下登は、参議院の多数を背景に絶大な権力を手にした。第二次安倍政権が長期政権と化したのも、参議院選挙で負けなかったからだ。

野党第一党の座が目的ならば、解党が国民国家の為

 第二次安倍内閣以降、参議院の地位低下は甚だしい。与党に対する、野党第一党の議席数が物語る。    13年 自民党115 公明党20 与党計135議席 /民主党59議席  16年 自民党121 公明党25 与党計146議席 /民進党49議席  19年 自民党113 公明党28 与党計141議席 /立憲民主党32議席  22年 自民党118 公明党27 与党計145議席 /立憲民主党38議席  定数は242~245議席。与党が安定した戦いの中、野党第一党の劣勢は目を覆うばかりだ。これが何を意味するか。民主党~民進党~立憲民主党の系譜の野党第一党が居座ることで、自民党に対抗しうるマトモな野党が伸びるのを邪魔しているのだ。  かつての民主党のように参議院選挙で連勝、政権交代につなげるなら意味がある。しかし、野党第一党の座を死守するのが目的ならば、いっそのこと解党するのが、国家国民の為だろう。別にマイノリティー向けの政策など、野党第一党に言ってもらわなくても結構。よほど真面目にリベラル政党の道を歩んでいる、れいわ新撰組で十分だ。
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どこに立憲民主党を残す価値があるのか?
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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