更新日:2022年07月13日 13:34
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野党は岸田首相に「黄金の三年間」を献上した/倉山満の政局速報

第一は、解党覚悟の総括を割けないこと

 第一は、解党覚悟の総括。  民主党の政権奪還以来、この党に連なる人たちは本気の総括を避けてきた。あげく「民主党政権のやろうとしたことは間違っていなかった」などと言い出す。それでは、負けても負けても身内のかばい合いで何の反省もしなかった、戦時中の陸海軍エリートと同じだ。  民主党政権時の2010年の参議院選挙での敗北以来、自民党に対し全戦全敗で今に至るのはなぜなのか。徹底した自己批判が必要だ。それで人間関係がおかしくなって党が崩壊しても、上等ではないか。

第二は、解党覚悟の路線論争をすること

 第二は、解党覚悟の路線論争。  今さら「立憲民主党全体が自民党の右の野党を目指そう」など不可能だ。しかし、リベラルの観点からでも、稚拙すぎる批判を繰り返してきた。世界的に金融緩和はリベラルの専売特許だし、ドイツで「来年から防衛費をGDP2%にする」と言っているのも社民党政権だ。ドイツ社民党やイギリス労働党が、なぜそれぞれの国で受け入れられているのかを研究、我が国でも可能なのかどうかを検討した方がいい。  憲法論議でも、自民党の提案など穴だらけだ。コロナ対策でもあからさまな違憲の行為がまかり通っていた。たとえば、医師法では医師以外のワクチン接種の為の注射を禁止している。しかし、コロナ禍だからと、通達一本で医師以外(たとえば歯科医)もワクチン注射を射てるようにした。これに反対すべきだったと言っているのではない。「コロナ禍で医師以外にも注射を射てるようにしよう」など誰も反対しないが、危機だからと政府が何でもやっていい訳ではない。野党こそ、「午前に衆議院を通過させて、午後に参議院を通そう」と提案すればよかったのだ。手続きを無視して何が「立憲」か。  この種の提言、時に反対などいくらでもできる。本気でまともなリベラルをやるのか、それとも一部の支持者に受ける政策だけを行うのか。これも、解党上等ではないか。
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党首の名称を「総裁」に代えること
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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