更新日:2022年07月13日 13:34
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野党は岸田首相に「黄金の三年間」を献上した/倉山満の政局速報

第三は、魅力ある党首を持つこと

 第三は、魅力ある党首。自民党との議席差を見て算盤をはじいたら、永久に勝てる気がしないだろう。しかし旧民主党は、かの郵政選挙の2年後に参議院をねじれに追い込み、4年後には政権を奪取した。  考えてみれば、「岸田首相に代わる魅力のある党首」を擁する政党であればいいのだ。ハードルが低い。  政権奪取の魅力は、党内の権力闘争を命がけで勝ち取ることから始まる。迫力が必要だ。

第四は、党首の名称を「総裁」に代えること

 第四は、党首の名称を「総裁」に代えること。  1900年の立憲政友会の設立以来、やる気のある政党の党首はすべて総裁だった。戦後も同じ。鳩山一郎など、8名の小政党に落ちぶれても「総裁」を名乗り続けた。ところが1955年以降は、自民党だけが「総裁」を名乗っている。そして衆議院の議席順に、「総裁>代表>党首」だ。これでは名前負けしている。事実、自民党関係者のほとんどは、自分たちを政界の一軍と思っている。  隗(かい)より始めよ。党則を改正、「代表」をすべて「総裁」に変えてみては如何か。

第五は、総裁直轄の事務局と党員拡充すること

 第五は、総裁直轄の事務局と党員拡充。  強い総裁を生み出すのは、有能な事務局だ。党勢拡大と政策の集約に関し、総裁の手足となる事務局がある政党は強い。かのイギリスのマーガレット・サッチャーは保守党の立て直しの際に、まず側近を固めることから始めた。労働党のトニー・ブレアも政策は違うが、サッチャーの手法をまねた。  岸田首相も総裁選で敗れた後、従来の側近から若手の側近に切り替えて「生まれ変わった」と聞く。属人的要素に頼らず、組織化するのが政党近代化だ。そして、党員拡充。  立憲民主党の規模で、優秀な事務局を抱えて党員拡充ができれば、おのずと大政党への道は見えてくる。
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今までのリベラル系文化人やブレーンは何をしてきたのか?
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1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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