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国民民主党に必要なのは「政権交代を実現する」意思を示すこと/倉山満の政局速報

自民党に対抗できるマトモな野党としての役割

 国民民主党は選挙に強く政策に明るい議員が多い。自民党の補完勢力など求められてはいないはずだ。むしろ、自民党に対抗できるマトモな野党、ゆくゆくは二大政党の一角を求められているのではないか。  選挙前は「野党だけ政界再編が起こるのでは」と言われていたが、もはや解党や新党のエネルギーも残っているか疑わしい。だが、会派を結成することはできる。立憲民主党のマトモな議員や、日本維新の会が組めば、野党第一会派だ。立憲民主党の中には時計の針の巻き戻しを企んでいる勢力がいる。つまり、無意味なスキャンダル追及し、大多数の国民の意向と関係のない身内受けの主張を繰り返すのが、野党の役割だと勘違いしている勢力だ。  重要政策で言えば、岸田自民党は「金融緩和は当面継続」「防衛費は5年以内に倍増できればいい」との方針だ。与党だから妥協的な政策にならざるを得ない面もある。ならば、国民民主党や日本の維新の会なりが「生ぬるい!」と正論で引っ張っていくのが国益だろう。これは立憲民主党のマトモな議員には無理だ。

正攻法で近代政党としての道を歩むことが、3年後の備えになる

 玉木雄一郎代表は、地道にSNSで発信を続け、支持を拡大している。アメリカでは、SNSで人を募り、人が集まるのでまた集まる、という選挙戦術が盛んだそうだ。これに街頭演説に人だかりができている映像を拡散すれば、なお効果的だ。国民民主党は、組織はあるのだから、SNSと街頭遊説、あるいはタウンミーティングによる全国行脚で党員を増やすという正攻法で近代政党としての道を歩むことが、3年後に備えることになるのではないか。そもそも、来年4月には統一地方選があるので、今すぐ始めた方がいい。  そして、党首の名称を「総裁」に変えることを提案する。

立憲や維新に「一斉に代表を総裁へ変えよう」と呼びかけては如何か

 1900年の立憲政友会以来、やる気がある保守政党の党首はすべて総裁だった。対抗する二大政党の一角の立憲民政党も総裁を名乗った。敗戦後も同じで、鳩山一郎に至っては35人の政党でも「総裁」を名乗り、それが8人に減っても「総裁」だった。一方でやる気の無い革新政党は「総裁」を名乗らなかった。  そして1955年以降は、自民党だけが「総裁」を名乗り、他は「委員長」「代表」「党首」だ。名前だけで自民党に特別感がある。  もし国民民主党がマトモな野党を目指すなら、隗より始めよ。自民党に対抗する政党になる意思を示すために、党首の名称を「総裁」としては如何だろうか。むしろ、立憲や維新に「貴方たちも本気を示すために、党首の名称を一斉に総裁にしよう」と呼びかけるくらいで如何だろうか。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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