恋愛・結婚

パートナーとの喧嘩を「お互い様」と言ってしまう人がダメ人間まっしぐらな理由

被害者かもしれないあなたへ

 もしもあなたが「お互い様」「どっちもどっち」という言葉で、自分が嫌だと言っていることをやめてもらえないことが多いとしたら、パートナーは短期的なゼロサムゲームとして人間関係をみている可能性があります。  特に「じゃあ、そっちはどうなんだ」に加えて「本当はこれが嫌だった、あれが嫌だった」と、これまで特に言われてこなかったことを相手が反撃材料として言ってくる場合は、「損したくない」「負けたくない」「譲歩したくない」という気持ちで言ってきている可能性があり、それに応じても結局相手は変わってくれない……という経験をしたこともあるかもしれません。  それに真面目に取り合って、自分ばかりが相手の不満に応じ続けていると、いつか限界がきて、自分もまた相手に攻撃するようになってしまうかもしれません。そうなって自己嫌悪に至る前に、関係を考え直す必要があるかもしれません。

加害者かもしれないあなたへ

 もしもあなたが喧嘩や言い争いについて「負けたことがない」と思っている場合、まさにそれを理由として加害をおこなっている可能性があります。理由は2つあります。1つは、コミュニケーションの問題を「勝ち負け」で捉えていることから、短期的な視点でゼロサムゲーム的に関わっている可能性があるからです。  もう1つは「負けたことがない」ということは「折れたことがない」ということであり、相手の必死の願いやニーズを無視し続けていながら、自分のニーズは押し通し続けている可能性が高いからです。それは、相手を傷つけ続け、ケアを搾取し続けてきたことを意味しています。  もしもあなたのパートナーが「昔は素直だったのに最近言うことを聞かなくなってきた/わがままになってきた」という場合、最初に考えるべきは、あなたが相手の優しさという素晴らしい美徳を奪い尽くし、もう相手にその余裕がなくなっているかもしれない、という状況認識です。  自分のニーズをずっと聞いてくれなかった人に、別居や離婚について相談する可能性はありません。僕は本当にたくさんの人が「突然、パートナーが子どもと出て行った」という人の話を聞きます。関係が終了する時は(加害者にとっては)突然です。どうか早い段階で問題を自覚し、ケアを始めることができることを願っています。それは、誰よりもご自身の幸福にとって重要なことなのです。
DV・モラハラなど、人を傷つけておきながら自分は悪くないと考える「悪意のない加害者」の変容を目指すコミュニティ「GADHA」代表。自身もDV・モラハラ加害を行い、妻と離婚の危機を迎えた経験を持つ。加害者としての自覚を持ってカウンセリングを受け、自身もさまざまな関連知識を学習し、妻との気遣いあえる関係を再構築した。現在はそこで得られた知識を加害者変容理論としてまとめ、多くの加害者に届け、被害者が減ることを目指し活動中。大切な人を大切にする方法は学べる、人は変われると信じています。賛同下さる方は、ぜひGADHAの当事者会やプログラムにご参加ください。ツイッター:えいなか

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モラハラ、パワハラ、DV
人間関係は“ことば”で決まる

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