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オーストラリアの年末年始は海で水着? “真夏の聖夜”にサンタも四苦八苦

プールやビーチでダラダラが基本

ビーチ

こたつじゃなくてビーチでダラダラ。これがオーストラリアの正しい年末年始の過ごし方。ブリスベン市の中心部近くにある人工砂浜のあるプールにて

 そんな真夏の年末年始の過ごし方。それは「プールまたはビーチでダラダラ」が基本です。また猛暑の日には冷房代節約のためか、エアコンがガンガン利いたショッピングセンターへ「避暑」に来て、日がなダラダラ過ごす人たちも増えます。  日本の羽子板や凧揚げ、カルタなどのような「その時期に特によくやる遊び」のようなものもありません。  なんとも盛り上がりに欠けるクリスマス以降の年末年始ですが、イベントがまったくないわけではありません。大晦日の夜の風物詩といえば「カウントダウン花火大会」。オーストラリア国内の各都市で盛大に行われます。  ちなみにオーストラリアの花火大会は音楽とともに花火が打ち上げられる「舞浜系」ですが、両者のタイミングが微妙にずれていたりしてテーマパークの完成度と比べるとちょっと残念な感じです。

食事だって夏仕様の「冷たいもの」

茹でエビ

茹でエビは年末年始の定番(画像提供:Tourism and Events Queenslandクイーンズランド州政府観光局)

 欧米ではチキンやターキー、ポークやビーフなどの「ロースト」がこの時期の定番メニューとなりますが、みなさんが暑っ苦しく感じるくらい何度もお伝えしているようにこちらの年末年始は「夏」。肉をオーブンでじっくり焼こうものなら家じゅうが暑くなって大変です。  というわけで年末年始に人気がある食事は「冷製シーフード」。特に茹でたのちに冷やしたエビ(タイガープロウンなど)は大人気で、スーパーマーケットや魚屋では、一度に2~3キログラム爆買いする人たちも普通に見られます。  また日本や欧米では「牡蠣はRがつく月に」、つまり、MayからAugustの5月から8月の夏場は当たる可能性があるので避けるという傾向がありますが、こちらでは真夏のこの時期も平気で生牡蠣を口にします。
生牡蠣

生牡蠣も年末年始の定番(画像提供:Tourism and Events Queenslandクイーンズランド州政府観光局)

 この時期、肉料理で特に人気なのはハム。それもスライスしたものではなく、日本ではお歳暮でよく贈られるボーンレスや、骨付きの塊のハムを大人買いして、かなり厚めに切り分けて食べることが多いです。
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「お年玉」がない、その理由
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世界約115ヵ国350名の会員を擁する現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブ」の創設者兼お世話係。雑誌やウェブサイトでのリレー連載や共著のほか、オンラインセミナー講師の派遣など様々なプロジェクトを続々プロデュース中。『値段から世界が見える』(朝日新書)などのお堅い本から、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)などのお笑い本まで著書多数。オーストラリア在住。
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