ライフ

オーストラリアの年末年始は海で水着? “真夏の聖夜”にサンタも四苦八苦

「お年玉」がない、その理由

 ハムで思い出しました。お歳暮のような「お世話になった人に何かを送る」という習慣は特にないですが、遠く離れて住んでいて残念ながらクリスマスには会えない家族に「クリスマスプレゼント」を郵送する習慣はあります。  チョコやキャンディーなどがいっぱい入ったらしいプレゼントの箱を郵便局に持ち込むおばあちゃんなどを見ていると、自称「合理的」ですがまわりからは「せこい」と称される私などは「お菓子代と小包代をあわせたお金を銀行振り込みして現地で買わせたほうが絶対にトクだろ」と明らかに無粋なツッコミを入れてしまいます。  プレゼントを贈るほどではない場合は「クリスマスカード」。これが日本の「年賀状」の代わりです。ここ数年はコロナで物流も遅くなっているので、郵便局も「クリスマスに間に合わせたいのなら早めに投函を」と呼びかけています。  プレゼントといえば、日本のお正月の風物詩である「お年玉」のようにお金をあげる習慣はありません。というか「おこづかい」という制度も基本的にはありません。オーストラリア人に日本のおこづかいについて説明すると、決まって返ってくるのが、「ちょっ、ちょっと待てよ。なんでなんにもしない子どもにお金を与えるんだ?」という不思議そうな顔。  とはいえ、子どもたちも自分で自由に使えるお金がほしい。そこで「お手伝いをしてその対価としてお金をもらう」という取り決めを保護者とします。たとえば皿洗いとかゴミ出しとか。「お金はタダでもらえるもの」ではなく「報酬は労働の対価」だと子どものころから理解させるのは正しいことのような気がします。  とまあ、最後はアツく語ってしまいましたが……。日本はおろか欧米でも絶対に味わえない「真夏のクリスマスとお正月」。ぜひぜひ一度体験しに来てください! <取材・文・撮影/柳沢有紀夫(海外書き人クラブ)>
世界約115ヵ国350名の会員を擁する現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブ」の創設者兼お世話係。雑誌やウェブサイトでのリレー連載や共著のほか、オンラインセミナー講師の派遣など様々なプロジェクトを続々プロデュース中。『値段から世界が見える』(朝日新書)などのお堅い本から、『日本語でどづぞ』(中経の文庫)などのお笑い本まで著書多数。オーストラリア在住。
1
2
3
おすすめ記事