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ファミレスの定番「ドリンクバー」。90年代“導入当時の苦労と混乱”を探る

お替わり自由に戸惑う利用者も

ドリンクバー 慣れてしまえば当然のように利用しているドリンクバーだが、認知が広まるまでには様々な声が上がっていた。PR担当に当時の様子を聞いた。 「お替わり自由だとお分かりにならずに、1杯でお帰りになってしまうお客様も多くいらっしゃいいました」(同氏)  それを受けて、お替わりが自由であることを、従業員ができる限り声かけしていたという。さらに「制限時間はあるかということや、飲んでいい種類はどの範囲かなどをご質問されるお客様もいらっしゃいました」と同氏。  さらに「お声かけをさせていただいたお客様からは、どうしてこんなサービスがこんなに安くできるのかとのご質問も殺到しておりました」と、日本で最初のサービスに、多くの人々が戸惑っていた様子もうかがえる。今では、従業員の工数を減らすことにも一役を買うドリンクバーだが、浸透するまではむしろ声かけを繰り返す苦労もあったようだ。

ドリンクバーを広めた別のサービス

 認知される前には戸惑う利用者も多かったサービスが、どのように広がっていったのか。そこには、それまでのファミリーレストランと、価格的な差別化をした点にあったと担当者は続ける。 「認知されたきっかけとしては、導入当初から180円(税抜)という衝撃的な安価で満足感の高いサービスとして、口コミや反響を多くいただいたことがあります。同様に、380円(税抜)の『ハンバーグステーキ』や280円(税抜)の『山盛りポテトフライ』などもリーズナブルにお楽しみいただいておりました」  さらに同氏は、ドリンクバーの認知と浸透を手伝ったのは“別の設備”だったと話す。 「実は、店員をお好きな時にストレスなく呼び出すことができる“呼び出しベルサービス”もガストが大手ファミリーレストランで初導入です。「ガスト」というブランドができたことは瞬く間に話題になりました」 ドリンクバー
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進化し続けるドリンクバー
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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